読むんじゃなかった


とは、思わなかった。




今の私の心には痛い言葉が沢山だった。



私は 彼をあまり知らない。

CDだってもっていないし、

昔それと知らずに弾いた曲が乾杯だったり

苦手だと思いながら、車のなかで両親の聴く歌に、

重たくなる心が辛くて耳を塞いだり


とにかく、苦手な人という印象が強かった。



切っ掛けは何処にでも、いつでもそこいらに転がっていたけれど


触れる機会が無かったし、避けてもいたのに




閉じ込めて錠をかけて

その鍵も溶かして錠前にして

鎖だらけにされた心の奥の闇の部分

開くつもりも、近付くつもりもなく

隠して忘れたふりして生きてくつもりだったのに。




どうして今

触れてしまったんだろう



無理矢理に、優しく鍵を外しにかかってくる

殺されるって、そう思った。



痛いんだか嬉しいんだかわからない。

開けたくない記憶手離したい記憶。

放っておいてはくれない人が私のまわりに増えてきた。



硬く閉ざしたままの門を開いたら

なにか変わるだろうか。

ただまた痛い思いだけして、傷をもう一度刃でなぞって開くだけかもしれない。


でも。
と、思う。

もしかしたら、と。



何度も繰り返し傷付いて諦めてきたけれど

何度も繰り返し傷付いたんだからあと一度傷付くくらい、どうってことないのかもしれない。


彼を支持する人を大勢見てきた

嫌う人も同じくらい見てきた

触れもしないで嫌うより

触れて、見てから決めるのが良い筈。



無くしたと思い込んでいた鍵は、

少しだけ歪に錆びて

こんなに側に転がっていた。




開きますように…
開きませんように…



抱き締めるような抱き締められるような
暖かさと怖さと。




前だけ向いて歩いてく人に憧れる癖に

そんな人に置いていかれることを一番恐れてる。


そうなりたいから、
そんな対象に見限られたらもう立てない気がするから、



息が詰まる。



こんなに怖いのは


もう既に惚れてしまっているのかもしれないね。


読み進めるのが怖くて痛くて。


悔しいから一文字も洩らさず読んでみる。







こんなことなら初めから


鍵なんてかけなきゃよかった