999に乗りたいよ | Snowy June

999に乗りたいよ

料理が本気で苦手な人の気持ちって
本当に下手な者同士でしか理解しあえないと思う。
まぁ、下手同士でないとってのは料理に限らないか。

台所の仕事が本当に嫌い。苦手。苦痛。
たかが1個のタマネギの皮を剥くのに5分も10分もかかる。
ジャガイモ1個剥けばへとへと。
味音痴だから何を作っても美味しくない。
何故味音痴なのかといえば、おそらく味に興味がない。
シャキシャキ感がどうのとか言われてもわからない。
味が濃すぎるのかも薄すぎるのかもわからない。
みんなが美味しくない物でも美味しく食べてしまうから。

また一度にいくつもの作業を平行してやる能力がないから
しょぼい料理に2~3時間平気でかかる。
一日の半分は台所で過ごしているようなものだ。
台所作業はマルチタスクが基本なのだもの。
だけど、そんなにまでして毎日嫌いな台所で頑張っても、
「美味しい」と言われることは滅多にない。
稀に言われる時は単なる偶然で美味しくできただけ。
そして私にはいつもの不味い料理と美味しい料理の違いもわからない。

生物だから食べないわけにはいかないし、
別に美味しい物を食べるのが嫌いではないけど、特段望みもしない。
だって、興味がないから何を食べても美味しい。
他人が「ここの料理は美味しくない」とか言っても理解出来ないのだ。

食べることに興味がないから、食べ物のことは覚えられない。
カレーライスと一緒に味噌汁や冷や奴を出して、「変」と言われる。
でもそんなに変なことだって、言われないとわからない。
私なら気にせず何の疑問も感じず一緒に食べるから。

奈良漬けを食べたいと言われて買ってきて切って食卓に出す。
「ヌカを洗って落とさなかったのか」と驚かれる。
奈良漬けについているものがヌカだってことも知らなければ
洗わなければならないなんて思いつきもしない私。
ショックを受けるが、多分3ヶ月すれば忘れて同じ過ちを繰り返す。


人はよく私に言う。
「料理なんて慣れだよ」とか。

これほどむかつく言われ様はない。
私を何歳だと思っているの?
親元を離れて自炊を始めた日から30年経っていますが?
30年毎日頑張っても要領よくならないし、慣れもしない。
「慣れ」で上達する人には、ちゃんと慣れる能力があるのだ。
それが無いから私は苦労している。
慣れも才能の一つだと、それを持っている人は気づかない。

料理に関しては諦めている。
私は死ぬまで上達しないし、苦労し続けるだろう。
ただ、人に「慣れ」とかアドバイスされるのが死ぬほど腹立たしい。

何故か私のことを家庭的で料理が上手そうとか思い込んでいる人、
会話するの疲れてしまう。
生きて行く上で仕方がないから毎晩ご飯作っているだけなのに
私が作ったのを食べたいとか言われるのたまらない。
簡単だから作っている料理の名前がたまたまカタカナだったからって
「オシャレ」とか言われるのも凄く嬉しくない。

毎日食べなければならない。
故に毎日作らなければならない。
この苦しみ故に人間嫌いになりそうだ。

999に乗って機械の身体をもらってオイル飲んで生きてゆけるなら
私はぜひともそうしたい。