今わたしはブエノスアイレスにいます。

宿にも泊まらせてもらえず、全ての交通期間に拒絶され、外出禁止だから誰かに迎えに来てもらうこともできず、かつ道にいたら連行される可能性があり、そんな状況でも大使館は動いてくれず…

っていう、本当に人生一番の絶対絶命のピンチを経験。
刺激を求めて飛びだした日本。
でもこんな刺激はまったく求めてない。

サルタからオルノカル山には入れないと知りつつも、ウマワカという街に向かった私は、とりあえず宿を探しました。

3件目の宿でやっといれてもらいましたが、ここで旅の難易度がかなり上がっていると改めて危機感を感じました。

「アルゼンチンは早めに出ないとマズイ」そう思いました。

ウマワカはほぼボリビアに近い田舎町。
アルゼンチンを感じさせない貧しい雰囲気と町並みは魅力的でもありました。

ここには1泊だけして次の街に行こう。
っと思っていた矢先、
3/20には国内移動すらもできなくなるという発表が!!

これは、やばい!!
アルゼンチンどころかこのものすごく小さい田舎町に閉じ込められる可能性が!!

そう思って早急にウマワカを出ることを決意。

しかし、バスには拒絶され宿も延泊不可能となり、
もはや八方塞がりの状況に。。
3/20まで出るはずの長距離バスなのになぜ。。
実は政府の発表より早くウマワカ自体はシャットダウンしてたのです。。

かなり苦労したものの、
なんとかブエノスアイレスゆきのバスに乗れました。
※割愛しますが、なんども拒否と交渉と摸索をくりかえし相当たいへんでした 笑

ブエノスアイレスに行けば、大使館もある、友人もいる、ホステルもまだ空いている(と聞いていた)

でも、まさか。。

こんなぎりぎりのところで、
ブエノスアイレスは外出禁止になりホステルも新しい人は泊めれなくなったと発覚。。

つまり宿には泊まれない、外出禁止だから人に迎えに来てもらうこともできない、

でも、まだ大使館がある!!!

フランスの大使館はホテルを与え、ベルギー(かドイツだか)の大使館は特別なフライトを用意したという話をバス内で他の旅行者に聞きました。

きっと日本大使館も宿は最低限確保してくれるだろう。

そう思ってたけど完全に間違いでした。

日本大使館は、「道にいたら拘束されるかもしれないし、ホテルも拒絶される可能性あるが、なんとか自力でホテル探して泊まってくれ」というもので、「探してほしい」という依頼には「それはできない」という回答。

絶句でした 笑

なんとか乗れたバスは、アルゼンチンの田舎町からブエノスアイレスまで行きましたが、降ろされた先はバスターミナルではなく道路。
しかもレティーロという、先日邦人が首締め強盗にあった場所の近くです。
ホームレスと物乞いと薬物中毒者に数分に1回ペースで声をかけられながらも、なんとか姉が見つけてくれたホテルに到着。

正直、アルゼンチンの大統領命令があまりに厳しすぎるので、
このまま逮捕されて日本帰れないという可能性も考えたし、
「死ぬかも」って本気で考えました。
(バスの中で母と姉に遺書書いてました 笑)

レティーロで降ろされて、警察に連行されるかスラム街でボコされるかの2択か…
なんてことを考えつつ今までの短い旅を走馬灯のように振り返っていました。

スペイン語が堪能な姉は、私のために、大使館に電話し、宿に交渉と通訳をし、ホテルに10数件問い合わせ、現地の友人に問い合わせ、最終的に私が泊まるホテルを見つけ、さらに送金するとまで言ってくれました。

それに比べて大使館の対応は。。。
ほんとうに言葉にできません。。

これから、ブエノスアイレスで2週間引きこもり生活をします。
食べ物を買いに行くのも、ホテルの管理人にお金を渡して行かせないと行けません。

わたしはコロナウイルスより、コロナウイルスに過剰反応している社会のがよっぽど怖いです。

こんなに経済活動がストップして、
おそらくたくさんの会社が倒産したり、
リストラされる人も多いでしょう。

きっとそれによって、精神を病んだり自殺したりする人も増えるでしょう。家庭崩壊も起こるだろうし、収入がなくなることでより経済を回せなくなり悪循環に陥ると思います。

治安も少なからず悪化する地域もでるでしょう。

メキシコに住んでる友人は、
リストラされた肉体労働者が収入を得るために麻薬産業に従事する可能性も考えられるし、
そうなったらより治安は悪化する。

と言っていました。

過剰反応する国、社会の方がよっぽど怖い。

今回はそのせいで怖い思いをしました。

旅に出る前、強盗やスリ等の軽犯罪や性犯罪の心配はしていましたが、
まさか、全く別の角度からこんな思いをするなんて思ってませんでした。

アルゼンチンはとても良い国です。
パタゴニアの、全ての人の心を癒やすような絶景は絶対に一生忘れないし、ブエノスアイレスの都会もイグアスの滝もとても好きな場所です。 
サルタとウマワカもまた、日本では見ることのできない景色を見せてくれました。
たくさんの人の親切も忘れません。
それと同時に、コロナのせいと思われる差別もたくさんあり嫌な思いもしました。
バスで隣の席から移動される、通るだけで避けられる、アルコール除菌をここぞとばかりにされる。

けれどそんなことでアルゼンチンは嫌いにはなりません。今もなお大好きな国です。

そしてわたしは旅に出たことを後悔したことは一度もありません。
こうなるとわかっていても、きっと出国しました。
今日までに出会えたたくさんの人に出会えなかった人生なんて考えられません。

こんなことで旅を嫌いにはなりません。
もっともっと行きたいところ、見たい景色がたくさんある。

大変だったけれど、姉や協力してくれたいろんな人たちのお陰でなんとか安全な場所を確保できました。

本当に無事でいれてることに感謝。

衣食住さえあれば、幸せなんです。

わたしは今、元気です。