趣味は?

と聞かれ、いつも答えるものは

映画鑑賞

好きな飲み物は?

と聞かれ、いつも答えるものは

コーヒー

淹れたてのコーヒーを飲みながら映画鑑賞

なんて幸せなんだろう。

そう思って、ふと立ち止まり、振り返る。

私には、高校生から付き合っていた彼がいた。

6つ上で、頭がすごくよかった

一緒に住み、ほとんどの時間をすごし、

すべてのことを教えてもらった気がする。

思い出してみる。

子供だった私と彼を。

淡い思い出となってしまっているけれど。

この映画が面白いよ。

この俳優が好きなんだ。

彼が教えてくれた映画を借りてきて、よく一緒に見ていた。

そして、見ているときは必ず、コーヒーを淹れてくれていた。

コーヒーカップを握り締めながら、よく映画を見た。

一人で見るようになってからも、その癖は抜けない。

一人で、コーヒーカップを握り締め、映画を見ている。

そうか、映画も、コーヒーもすべて彼に教えてもらったものだ。

いつのころからか、すっかり自分のものだと思ってしまっていた。

私の中にこんなに残っていたのか。

私をこんなにつくっていたのか。

そんなことを思いながら、また一人で

コーヒーカップを握り締めて、画面の前に座るのだ。


何かを書こうと思った。

自分のために。

誰かのために毎日を過ごす、自分のために。

何かのために毎日を過ごす、自分のために。

そして、いつか読んでもらう誰かのために。