甥いわく「切支丹の文字が確認できる」とのこと
むむ・・・確かに切支丹。
これをヒントにこの古文書が何なのか調べてみました。
日本にキリスト教が伝来した1549年フランシスコ・ザビエルによって
伝わりました。学校で教わった記憶がよみがえる・・・
当初漢字の書きは「吉利支丹」だったそうだ。
これがキリスト教禁止令によってよくないものとなる。
五代将軍徳川綱吉の時代より「吉」の字にはばかって
「切支丹」と書くようになったのだそうだ。
そうなるとこの古文書は1680年以降の物と察する。
もう一度、全文を見直していると「あった!」
宝暦五年乙亥七月 西暦でいえば1755年
なんと260年以上前の古文書でした。
さらに読み取れる単語がところどころに見当たる。
「五人組」「大小百姓」「仕置」「組代」などなど・・・
そしていきつくところ、これは「五人組仕置張」と判明しました。
国家の統制を目指して村単位で五人組がつくられていた時代です。
五人組は5戸で一組をつくり、地主、組頭、百姓代という三役が置かれ
犯罪防止、警察、納税などの連帯責任をとらされた。
そうなるとお互いを警戒しあうこととなり、支配者にとって好都合な訳である。
「五人組仕置張」はその規則文書ということである。
名主の箪笥に永久保存されたそうなので、
現存しているものはそういうところから出てきたものになるそうだ。
近世の庶民の研究資料として貴重なもので、
状態の良いものであれば5万円~8万円の価値があるようだ。
残念ながらこれは肝心の表紙が紛失していました。
本文が全て残っているかどうかは追々、
時間の余裕ができたら調べていきたいと思います。
余談ですが「五人組」と同じような組織形態として戦前、
「隣組」というのがありました。その名残りが現在の回覧板
となるわけですね。
うちのマンションではもう回覧板はやめてしまいました。
生活形態が多様化し、共働き家庭が増え、又土日祝日に勤務など
まとまって何かを行うことが困難となったためです。
はたしてこれが良い事なのか悪い事なのか・・・
私ももう一度改めて考えたいと思います。