新型コロナに感染した人が後遺症に悩むことがあります。倦怠感、微熱、頭痛、呼吸困難、長引く咳、嗅覚・味覚障害、脱毛、うつ・気分の落ち込み、不眠、ブレインフォグ(思考力・集中力の低下)など、多種多様です。後遺症に苦しんでいる人に新型コロナワクチンを接種すると、後遺症が軽快する頻度が高くなるという研究がいくつか報告されています。

新型コロナ後遺症に注意が必要な人
厚労省は、感染後に少なくとも2か月以上続く症状を「罹患後症状」と記載していますが(1)、ここでは分かりやすく「後遺症」と書きます。

新型コロナに感染した人にその後起こる症状のすべてが後遺症かどうかは判断が難しいです。まったく別の病気を発症しているケースもあるので、私たち医師は安易に「後遺症」と決めつけず、曇りなき眼で診断する必要があります。

実際に、後遺症と診断された人の中に、膠原病であったり別の慢性感染症であったりした患者さんを目にしたことがあります。

新型コロナに感染しても、後遺症を残さず軽快する人のほうが多いです。感染から6か月後には、後遺症の9割が軽快することが分かっています(1)。