で、復帰第1弾は少し真面目なお話。
世界には控えめな数字でも2,700万人の奴隷がいる。奴隷貿易時代にアフリカから移送された奴隷のおよそ倍の規模だ。
150年前、アメリカの農場に送り込まれた奴隷の値段は当時の平均年収の3倍であったが、現代の奴隷は僅か18ドルの借金によって家族が何世代にも渡って奴隷となっている。これは昔話ではない。今現在この地球上で起きている話である。
インドやネパールのヒマラヤ地方にレンガを焼く窯がある。気温50度を超える現場では、男女子供関係なく頭にレンガを載せて数百メートル先のトラックまで運ぶ。16時間休みもなく、彼らは黙々と同じ作業を繰り返す。まるで古代エジプトかダンテの「神曲」の地獄篇のような光景である。
子供が自分の体重以上の石板を麓のトラックまで運ぶ。飲み水も休みもなく、慢性的な脱水症状を起こしている。
彼らは生まれた時からその環境にいるため、外の世界を知らない。「宇宙は自分に興味がない」、そう思うしかない。
カトマンズではキャビンレストランと呼ばれる強制売春宿がある。レストランの入り口は一つしかなく、脱出は出来ない。中には7歳の子供までいる。
世界最大の人造湖であるガーナのヴォルタ湖では4,000人の子供の奴隷が働く。深夜の真っ暗闇の湖で投網をして魚を取るが、毎年多くの子供が溺れて命を落とす。
金鉱山では、大人の奴隷が働く。足は水銀の入った水に浸かっている。奴隷はやがて結核や水銀中毒で死ぬ。親が死ぬと子供にその借金が行く。その繰り返しである。
インドでは目を潰された子供が花を売る。バンコクではカンボジア人の女の子が裸で土下座し、物乞いをさせられている。中国政府は昨年だけで4,449件の人身売買業者を摘発した。先日も中国で生産された玩具の中からSOSの手紙が見つかる事件があったばかりだ。
NYタイムズによると、毎年10-30万人のアメリカ人の貧困層の子供が性奴隷や臓器提供者として世界で売買されている。挙げればキリがない。
奴隷ビジネスは世界で年間130億ドル以上の利益を生み出す巨大産業だ。この世には地獄の冥府に繋いでおかなければならないような鬼畜が、数え切れないほど存在する。
言うまでもないことだが、奴隷として扱われる彼らは、私達と同じように生きる権利と尊厳のある人間である。
Free the Slaves(奴隷を解放せよ)は、この問題に最も正面から向き合うNGOだ。著名人やお金持ちからの寄付金によって、奴隷を買い戻して解放する活動を行っている。先進国の政府は独裁政権には軍事仲介するが、奴隷問題のためには一切手を出してくれない。頼れるのはこのNGOだけだ。
2,700万人の奴隷たちはFree the Slavesが助けてくれる日を待ち望んでいる。幸運にも彼らによって解放された人は、一本のロウソクを握って写真を撮る。写真には「ロウソクの灯火が見る人の心に光を当て、すべての奴隷が解放されることを願う」というメッセージが込められている。