俺は用事があり急いでいた…。
自転車にまたがり駅に向かう…。
しかし…無情にも踏切に捕まる
すると…
どこからともなく声が…
実際は聞こえていないのだろう。
辺りを見回すが…周りにいるのは俺と同じく踏切に捕まっている車や数人の歩行者のみ…
誰も声を発している人などいない…
ハッとして下に視線を下ろす…
するとどうだろう…
踏切の手前の溝に体を落とし、羽根を道路に投げ出しているアゲハチョウが…
…死んでいるのか…
と感じた瞬間 踏切に電車が入ってきた…
勢いよく入ってきた電車に煽られ風が舞う…
吹き飛ばされまいと必死こらえているアゲハチョウ…
なんだ生きているのか…いや…
この世界を思う存分 命の限り生きぬいたであろう そのアゲハチョウは…
どうやらその小さな命を閉じようとしているようだ …
ああっ またこのような瞬間に…。
急いでいた俺はその場を振り切り駅に急ぐ…
…頭の中はそのアゲハチョウの事でいっぱいになる…
つらい…
心の中で囁く…帰りにあの踏切を通り もしまだあそこで人間に踏みつけられていなければ葉の上に乗せてあげよう…。