Nettar Anastigmat 1:4.5 7.5cm (ZEISS-IKON)
1937年にドイツで発売されたスプリングカメラ(ジャバラカメラ)の、ツァイス・レンズだ。
使用フィルムが120フィルムだから、このレンズは画面サイズが6×4.5などの中判レンズとなる。
35mmカメラで使う場合には、イメージサークルの中央付近で使う事になるから、画質的に非常に有利になる。
パウル・ルドルフが1888年に設計した「アナスティグマット(プロター)」というレンズ構成は、現代レンズの基本になった。
以降、1893年トリプレット、1897年ダブルガウス、1900年ヘリアー、そうして1902年にテッサーと、現代でも使われている光学系が次々に登場する。
アナスティグマット(プロター)は、その端緒を切った位置付けにあるレンズと言えるのだ。
カメラボディはボロボロだった。だからジャンク箱に入っていたのだろう。
しかしレンズはまだ使える状態だった。
そのため、まずレンズユニットを取り外してM42化し、中間リングでフランジバックを大まかに合わせ、M42ヘリコイドで微調整できるようにした。
もちろん、古いレンズだからコーティングなどされていない。逆光に極端に弱いため、自作フードを付けた。
自作と言ってもフィルムケースを切って、ゴム系接着剤で取り付けただけだ。
このフードを回すとピント調整ができるので一石二鳥だ。さらにフード外周には100均のステッカーシールを貼っている。これがポイント?だ。
もちろん、プラスチック製だから内面反射が気になるが、アクリルガッシュのジェットブラックを内面に塗り込めば、かなり反射防止が期待できる。
今日は気温は高いが曇天だ、撮影条件としてはそれほど良いわけでもない。コントラストがかなり低下してしまうのだ。
高萩市の花貫渓谷をめぐることにした。
森の新緑は、ローコントラスト下では別の表情を見せてくれるだろう。このレンズでそれを切り取って来よう。
なお、このレンズは過去にご紹介したことがある。しかし一つの記事の中に複数のレンズをご紹介していた。
今回、撮影しなおして、このレンズだけの記事として独立させた。
Renaissance/Baroque Music for Recorder