NIKKOR 50mm 1:2 Nikon
撮影はα7Rで行ったが、上の写真のカメラはニコンF2フォトミック(無印)だ。
1974年発売の、ニューニッコール50/2だ。
ニューニッコールは、通称「がちゃがちゃ」方式の最後のバージョンで、オールドニッコールの完成形と言える。
このレンズは1964年発売のニッコールオートから光学系は変更されていない。
さらに、1977年発売のAiニッコールに至るまで同一光学系のまま販売された。
カメラ機種で言うなら、ニコンFとF2の世代にまたがって、光学系が同一のまま販売され続けたのだ。
このレンズのことは、ニコンの歴代レンズ開発の記録と言える「ニッコール千夜一夜物語」にも書かれている。
エンジニアたちの思いが表出してくるかのような「ニッコール千夜一夜物語」は、読みものとしても興味深い。
ニコンは、これまでに開発してきたMFレンズの歩みを、忘れることなく残したいと考えたのだろう。自分たちが心血を注いで作り出してきたものを忘れない、ニコンの面目の一端がここにあると感じるのだ。
今日は雨だ。このレンズとは、安良川八幡宮に行こう。
九百八十五年創建のこの神社では、前九年の役で奥州に向かう源義家が戦勝祈願をしたという。
時代は下り、水戸藩による領内の寺社改革が始まった。領内に百五社あった八幡宮は四社以外、すべて取り潰されたのだそうだ。ずいぶん目の敵?にされたものだが、なぜなのだろうか。
雨降る中、このレンズを連れてそんな場所をめぐろう。
Francesca DEGO - Bach Chaconne