Planar 1.4/85 T* - MMJ Carl Zeiss (Y/C)
撮影はα7Rで行ったが、上の写真のカメラは、コンタックス167MTだ。
ヤシカ/コンタックス(Y/C)による、カール・ツァイスの中望遠プラナーだ。
このレンズの設計はドイツのカール・ツァイス、Jタイプの製造は日本のヤシカ/富岡光学による。
1975年、ヤシカとツァイス・イコンは、一眼レフカメラおよびレンズ製造のために業務提携し、コンタックス・ブランドを立ち上げた。
立ち上げに合わせて設計製造されたこのレンズは、1985年に電子制御方式の変更に合わせてマイナーチェンジを受けた。
今回ご紹介するレンズ、「MMJ」はマイナーチェンジ後のもので、1985年に発売された。
このレンズの光学系は5群6枚のダブルガウスだ。この光学系はカール・ツァイスによって1897年に発表された。
1902年に発表されたテッサーより早かったのだ。
いまでこそ標準系レンズの主流となっているダブルガウスだが、当時、そのまま主流にはならなかった。テッサーにはかなわなかったのだ。
当時はコーティング技術が確立されておらず、エレメント枚数が多いダブルガウスは本来の実力を発揮できなかった。ダブルガウスが主流になるのは20世紀の後半になってからのことなのだ。
このレンズは開放F値が1.4であり、絞り開放の場合には被写界深度が非常に浅い。そのため、ピントが合っている個所が「画面中のほんの一点だけ」ということもあるなど、撮影者泣かせ?のレンズでもある。「魔性のレンズ」などと言う人もいるほどだ。
しかしその破綻のない描写、解像力やコントラストの高さ、階調の豊かさ、そうして艶っぽい濃厚な発色などにより、いまでも非常に評価が高い。ほとんど宗教レベル?で惚れ込んでいる人も少なくないのだ。
このレンズとはひさしぶりに熱帯植物園でもめぐろう。
冬枯れの風景の中、そこだけが色彩豊かな、ある意味、不思議な場所だ。
その二つの対比も面白いだろう。近接撮影はすべて絞り開放で、このレンズには、そこでの絵を切り取ってもらおう。
なお、写真をたくさん撮ったので記事を二つに分ける。
この記事は(2)だ。(1)はこちら。
冬の日に南風が吹く場所 (1) - Y/C プラナー 85/1.4 ◇
冬の日に南風が吹く場所 (1) - Y/C プラナー 85/1.4 ◇
Mozart - Piano Concerto No. 6 in B-flat major, K. 238 (Murray Perahia)