NIKKOR-Q Auto 1:3.5 f=135mm Nikon
撮影はα7Rで行ったが、上の写真のカメラはニコンF フォトミックFTNだ。
ニコンの初期非Aiレンズ、135/3.5だ。レンズタイプは3群4枚の変形ゾナー。
初代は1959年に発売されたが、当時の単焦点レンズに多かった設計変更が、このレンズにおいても行われている。
このレンズはモノコート最後期のもので、マルチコート化が始まる前、1969年に販売開始されている。
このモデルで設計変更された光学系は、1976年発売のNEWニッコールまで変更されなかったから、このレンズで一定の完成を見たと言える。
なおこのレンズは、次のサイトによると1971-3年に製造されている。
Nikon Lens versions and Serial nos
135mmという焦点距離は、単焦点レンズが主流の時代には非常にもてはやされた。カメラを買ったときについてくる50mm標準レンズ以外にも、なにか交換レンズが欲しいという場合、推奨されたのが28mm広角レンズと135mm望遠レンズだったのだ。
だが、135mm望遠レンズは、いまでは非常に人気がない。
ましてや非Aiでモノコートのこのレンズは、ニコンレンズ中でも不人気度の上位にあるだろう。数が出た割には、ニコンレンズユーザーのバイブルと言える「ニッコール千夜一夜物語」にも出てこないレンズなのだ。
しかしその写りは、人気不人気とは関係なしに、すべての点において非常に優れている。
しばしば「135/3.5レンズにハズレなし」と言われるが、まったく同感だ、このレンズももちろん例外ではない。
今日も天気が悪く、しかも蒸暑い。このレンズとは、もう10年以上も行っていないところに行ってみようか。
あの古刹の境内で、何匹もの蝦蟇蛙が相撲を取っていたのを覚えている。彼らが土俵にしていた場所をひさしぶりに歩いてみよう。
BWV 997 - Suite in C Minor (Scrolling)