AUTO TELE ROKKOR-QF 1:3.5 f=200mm minolta
ミノルタ、オートロッコールの200mmだ。マウント部が銀色ではなく黒だから1950年代のものだろう。
このレンズは光学系が変更されることなく、次世代のMCシリーズにまで引き継がれた。ミノルタの200/3.5はこの光学系のものが唯一のものなのだ。
かつては超望遠レンズに分類された200mmレンズは、どのメーカのものもそうだが、いまではあまり人気がない。扱いにくいのだ。
さらに、SR/MDマウントはαショックの時にミノルタから放棄され、このレンズはすっかり忘れられた存在になっていた。
しかし描写の実力はかなりのものがあると思う。遠景描写は普通程度だが、近景描写は非常に優れていると思うのだ。
レンズ名にQFとあるように、当時のロッコールには、アルファベット2文字が付記されていた。
これは「*群*枚」というレンズ構成を示している。
- 群数 T=3,Q=4,P=5,H=6,S=7,O=8,N=9
- エレメント枚数 C=3,D=4,E=5,F=6,G=7,H=8,I=9,J=10,K=11,L=12
つまりQFなら4群6枚構成だ。
このレンズはお正月の骨董市で入手したものだ。
箱の中にカメラ用品やいろいろなレンズが無造作に転がっていた。そこでこのレンズを見つけたのだ。鏡筒にはガタがあり、外観は埃まみれで二束三文だった。
しかしさいわい光学系はダメージを受けていなかったので入手したのだ。これも出逢いなのだろう。
今日はこのレンズを連れて、久しぶりに久慈川に沿った矢祭に行こう。
「矢祭」という地名のいわれを知らない。しかしどこか神話的であり、好きな地名なのだ。
被写体は中~近景が主体となりそうで、おそらく200mmレンズとしては苦しい?撮影になりそうだ。しかしそれもまた楽しいと思えるのだ。
Henryk Szeryng - Bach: Violin Partita No.2 in D minor, BWV 1004