T-43 4/40 (SMENA-8M) LOMO
1970年からロシア(当時のソ連)のロモ社から販売された「スメナ8M」というカメラに搭載されたトリプレットレンズだ。
カメラ本体には露出計もなく、ほとんどプラスチック箱のようなトイカメラだ。
本来、カメラと一体になっているレンズなのだが、チャージ不良のジャンクボディから切り離し、Eマウント化した。予備に持ち歩いてもまったく苦にならない、小さくて軽いレンズだ。
スメナ8Mは、ロシアではヤング向けカメラとして販売されていた。「スメナ」の意味は「若者世代」なのだそうだ。
どこかで読んだ。(^^ゞ
40mmという焦点距離の画角で最短撮影距離1mだから、まともに使うのはツラい。
しかしそもそもが記念撮影用のカメラなのだろう。記念撮影において、家族や友人、恋人などを写すなら1mで問題になることはない。
このカメラは数千万台クラスという膨大な台数が製造販売されたようだ。
それなら、どれほど多くの人々の笑顔を描き続けてきたレンズなのだろうかと思ってしまう。
描写面では、レンズはガラスレンズであり、「思っていたよりは写りが良い」ということで、一部のマニアの間では人気のようだ。
しかし人気の理由は、「思っていたよりは写りが良い」などではないだろう。
このレンズの描写の特徴として、画面の四隅は崩れ、絞り開放だと背景ボケは鬼のようにグルグルと気合が入る。
そんな描写にも魅力を探そうとするのが、「現代」なのだ。
今回は、おそらく最高解像度を発揮するであろうf8固定で使った。
ここ数年来、パワースポットとして有名になってしまった御岩神社で何枚か撮影した後、帰路、ところどころでも何枚か撮影した。
さらにカラー設定を変えた写真まで撮影しており、統一性がまったくない「なんでもあり」状態になっている。
ヤング向けカメラなのだから、そんな撮影スタイルもやむを得ないことだろう。
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