SUN DF 85/135mm 1:4 NRC

 

 

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このレンズは、サン光機(ゴトー・サン)が作った非常にユニークなレンズだ。
なにがユニークかというと、ズームレンズではなく「2焦点レンズ」として、焦点距離85mmと135mmを切り替えて使うレンズなのだ。
レンズ名のDFはデュアル・フォーカルあたりの略称なのだろう。

もちろん、ズームレンズ的にふたつの焦点距離の中間域も使える。しかし中間域を使う場合にはピント合わせをやり直さなくてはならない。
いわゆるバリフォーカルレンズなのであり、85mmか135mmだけ使うと割り切ったほうが、扱いやすいレンズなのだ。

スペックはというと、あまりにもロースペックだ。
ズームレンズで焦点距離85~135mmというのは、レンジが狭すぎて他に聞いたことがないし、開放F値は4、最短撮影距離は1.8mだ。
焦点距離範囲75~150mm、開放F値3.5、最短撮影距離は1m以下が、「かろうじて普通レベル」のスペックだろう。

そもそもこのレンズの情報自体、ネット上でもめったに見かけない。当時からほとんど顧みられることもなかったレンズなのだろう。

マウントはKマウント。
Aポジションは無いから、1970年代中期~1980年ごろのレンズと思われる。


サンは非常に早い時期に一眼レフ用ズームレンズを手掛けた。
「写真工業」誌の2007年12月号の記事によれば、レンズ専門メーカーのズームレンズへの参入は、1963年タムロン、1966年サン、1967年トキナーとコムラー、1971年シグマとある。
当時、数多く存在したレンズ専門メーカーの中でも、サンは先進的なメーカーだったと言えるのだ。

 
無理のないスペックで設計されたレンズは、経験的に写りは悪くない。このレンズとは海に行き、断崖を眺めるのが楽しそうだ。

 

 


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85mm側の描写

 

 

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135mm側の描写

 

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使ってみて驚いた。
シャープネスやトーンなど、焦点距離85mm135mmとも、予想をはるかに上回って優秀なのだ。もちろん、レンズの欠点が出易い「絞り開放」でも問題はない。
誇張抜きに、単焦点レンズ並みの描写をすると言っても良いだろう。

無名のロースペックレンズだから、よほどの「もの好き (^^;」でなければ興味を持たないだろうし、もし見かけても値付けは二束三文だろう。
しかし、「マクロ並みに寄りたい」「背景が大きくぼける開放F値のレンズが欲しい」ということでないなら、つまり、あくまでも中遠景撮影がメインになるなら、この描写性能を考えれば、入手してけっして損はないレンズだと思う。

 

 

 

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