漂泊の魂。僕は少年時代、この言葉に言い知れぬ思いを抱いていた。
何と説明したらいいのだろう。未知だけが目の前にあるということなのだろうか。
── 未知でも道でもいい。僕は依存という言葉の意味も知らなかった。(2/2)

森鴎外。「かのように」
「かのようにがなければ、学問もなければ、芸術もない。宗教もない」。(2/2)

深夜。部屋の中は冷え込んでいる。零度だ、時計の音も凍てついている。
軽い耳鳴りが響いている。
── 僕は北国の凍てついたような風景写真や絵画を見るのが好きだ、しかしこの寒さは ── 違うのだろう。(1/30)

夕暮れ時の雑踏。人々の間を歩いていくときの、あの高揚した気持ち。
── この肉体を保て!(2/1)

スッタニパータの「小さな章」における、「バラモンにふさわしいこと」。
── 蟻の穴はダムをも壊す。(2/1)

「くれる人を愛する」という生き方と、「もらったものを愛する」という生き方。
「くれる人を愛する」人が、くれる人を憎めば、もらえるものは何もなくなるだろう。「もらったものを愛する」人はそれが壊れても、くれる人がいる限り、またもらえるだろう。くれる人が無限に豊かなら。
── 僕は、ある種の宗教にそれを感じることがある。しかしそれは戦争を起こす宗教だ。(2/2)

カミュ。「午後になると、太陽がいっぱい、僕の部屋に差し込んでくる。蒼い霞んだ空、村から上ってくる子供たちの歓声、庭の水盤の歌声・・・そして今こそ、アルジェの時間が僕のところに帰ってくる。二十年も前・・・」。(2/1)

寺院にこもる僧侶たちが世捨て人である限り、彼らは何を救済するのだろうか。
(2/2)

一条さゆり。僕が女性を感じるのは、彼女のような人だ。(2/2)

日本の文化人の中に、最近、宗教に入信する人が増えているという。── それはそれでいいのだが、あのものものしい理由付けだけは、聞いていて俗悪だ。
(2/2)

「僕はかならず彼女を幸福にします」。
「私も、彼の意志に沿って、幸福であるかのように努力します」。
── 誠実さとアイロニー。(2/2)

彼女。「私ね、自分は**主義だなんて言っている人は、あまり好きじゃないの」。(2/2)

かつて露呈していなかったものが、時間の経過とともに露呈するということ。
── それは露呈する前からあったものなのであり、そこに何か恐ろしい暗示があると思う。(2/1)




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