電車の中での長い時間。僕は眠っていた。
ふと目を開けた時、すでにかなりの駅を通り過ぎていた驚き。
── それは、知らずにいた事への驚きなのだろうか。(8/22)
芥川、ルナール、カミュのノート、ランボー。── たとえば音楽のパルティータのように、調性が統一された彼らの散文。(10/28)
酔い、それはタブーの消滅をもたらす。いくらか自由になった気分になり、その気分に見合っただけ何かができるような気になる。
── 自由になれば、なにかができるという事なのだろう。
酔いと酔いでないものの相違は、自由をキーワードにすればわかりやすいのだろうか。(10/18)
ゆるやかな斜面を、石の所々に突き出た道路がじぐざぐに登っている。秋の終わりの枯れた植物ばかりだ。
幼い僕は、母の歩く速さについてゆくのが途中で嫌になり、座り込んで、母にゆっくり歩いてもらおうとした。
そんな僕に慣れていた母は、ゆっくり歩くこともなく、そのままの速度で歩き続けた。仕方なしに僕は、母を小走りに追いかけるほかはなかった。
── あの頃の仙台の田舎の星空は、本当に無数の輝きに満ちていた。(8/24)
「神経」。大切に保管しておくべき灯台。── しばしば捨てたくなることがあるにしても。(10/29)
原口統三。「ドストエフスキーにおいて僕の見る『理知の人』の幻の特徴。── 倦怠の空気にはまり込んで、絶えず不安の暗い影がその身辺をかすめながらも、そこから抜け出すことのできぬ、『冷たい懐疑』と『貪婪たる狡知』と『激しい憎悪』との瞳を持った人物」。
── つまり「現代的」な、理知の人なのだろう。(10/29)
途中までは同じ道を歩き、どこかの地点で、いっしょに歩いていた者の姿を見失う。── 交差点だらけの道。(10/27)
彼における「神経質」。── 目の前で自分の食器に虫が歩くのを見た彼は、大袈裟に騒ぎ立てる。
そのあたりに虫が出ることは、彼もわかっているのだ。
ただ彼は、虫は自分の食器は避けて歩くものだと思っていたのだ。(10/2)
今東光。「それがそうなってしまったのは、摂理というものだ。皆、なるようになるものだ。ならないようになるものなどない」。(9/29)
香山芳久が現代の中学生を評して。
「リンゴの皮がナイフで向けない。はさみで紙を真っすぐに切れない。紐が結べない。釘が打てない。手拭いが絞れない。短い沈黙に耐えられない。ものをポンと投げて渡す。笑うことはあっても笑顔というものがない。正面を向いて見ない。恥ずかしさを示さない。はにかみが少ない」。
── もし、ひとりですべて体現している者が居たら、それはそれでかなりのものだろう。(10/11)
ふと目を開けた時、すでにかなりの駅を通り過ぎていた驚き。
── それは、知らずにいた事への驚きなのだろうか。(8/22)
芥川、ルナール、カミュのノート、ランボー。── たとえば音楽のパルティータのように、調性が統一された彼らの散文。(10/28)
酔い、それはタブーの消滅をもたらす。いくらか自由になった気分になり、その気分に見合っただけ何かができるような気になる。
── 自由になれば、なにかができるという事なのだろう。
酔いと酔いでないものの相違は、自由をキーワードにすればわかりやすいのだろうか。(10/18)
ゆるやかな斜面を、石の所々に突き出た道路がじぐざぐに登っている。秋の終わりの枯れた植物ばかりだ。
幼い僕は、母の歩く速さについてゆくのが途中で嫌になり、座り込んで、母にゆっくり歩いてもらおうとした。
そんな僕に慣れていた母は、ゆっくり歩くこともなく、そのままの速度で歩き続けた。仕方なしに僕は、母を小走りに追いかけるほかはなかった。
── あの頃の仙台の田舎の星空は、本当に無数の輝きに満ちていた。(8/24)
「神経」。大切に保管しておくべき灯台。── しばしば捨てたくなることがあるにしても。(10/29)
原口統三。「ドストエフスキーにおいて僕の見る『理知の人』の幻の特徴。── 倦怠の空気にはまり込んで、絶えず不安の暗い影がその身辺をかすめながらも、そこから抜け出すことのできぬ、『冷たい懐疑』と『貪婪たる狡知』と『激しい憎悪』との瞳を持った人物」。
── つまり「現代的」な、理知の人なのだろう。(10/29)
途中までは同じ道を歩き、どこかの地点で、いっしょに歩いていた者の姿を見失う。── 交差点だらけの道。(10/27)
彼における「神経質」。── 目の前で自分の食器に虫が歩くのを見た彼は、大袈裟に騒ぎ立てる。
そのあたりに虫が出ることは、彼もわかっているのだ。
ただ彼は、虫は自分の食器は避けて歩くものだと思っていたのだ。(10/2)
今東光。「それがそうなってしまったのは、摂理というものだ。皆、なるようになるものだ。ならないようになるものなどない」。(9/29)
香山芳久が現代の中学生を評して。
「リンゴの皮がナイフで向けない。はさみで紙を真っすぐに切れない。紐が結べない。釘が打てない。手拭いが絞れない。短い沈黙に耐えられない。ものをポンと投げて渡す。笑うことはあっても笑顔というものがない。正面を向いて見ない。恥ずかしさを示さない。はにかみが少ない」。
── もし、ひとりですべて体現している者が居たら、それはそれでかなりのものだろう。(10/11)
