4人目のお産のはなし。
2014年秋、妊娠が発覚して出産予定日が2015年の七夕に決まり、その近くの月齢を調べてみると、7月2日が満月だった。
3人とも、40週の予定日いっぱいまでお腹の中に居たことはなく、いつも38か39週で生まれてきたので、ちょうど満月もその辺りだし、今度もきっとその辺りだろうと思っていた。
3人とも自宅出産が叶い、もちろん4人目も自宅出産を叶えるべく、健康管理に努め、母子共に良好で、医師からの許可も得る事ができた。
いよいよ臨月に入ると、体の様子はまるで変わってくる。
まず胎動。
私のお腹はのびのび~のゴム風船の様に、3人目の時から動きやすくなっていて、結構激しくゴロンゴロンと寝返りを打ったり、あちこち手足を伸ばし放題。
動かれるとこっちが痛いくらい。
元気な証拠だね。
それと、体が思うように動かない。
3キロの赤ちゃんと、胎盤羊水1キロをお腹に抱え、立ったりしゃがんだりがしんどくなる。
5歳と3歳と2歳の子ども達に、あれ取って、それ拾って、これ持ってってと、使えるだけ使っていたなぁ~…
ごめんね、ありがとうね。
そんな訳で、臨月辺りからピリピリしたり、ソワソワしたりで、何となく早まるんじゃないかと月齢を調べてみると、6月16日が新月だって言うじゃない。
そい言えば3人とも新月前後に生まれてきたんだっけ。
6月は長男の誕生日や、遠足やいろいろイベントが目白押しで、月末の保育参観まで持たないかも…。
何て思っていたけど、何だかんだと全てのイベントを終了し、思い残す事もなくなった所で、今度は洗濯機の調子が…。
電気屋に駆け付け、最短のお届け日が7月2日。
あぁ、嫌な予感がする…
まさか、自宅出産中にガタゴト洗濯機搬入…なんて事にならないだろうか…
そして、7月1日夜11時、ついにおしるしがあり、7月2日の朝、お腹の痛みで起こされる。
“やっぱり今日か…”
旦那は仕事を7月3日に休めるような段取りにしていたし、産後の手伝いに来てくれる実家の母も、仕事の休みを7月2日から取っていた。
何だかお腹の子は、最初から7月2日に生まれてくると、決めていたみたいだね。
周りの私たちは、その様に采配されていたかの様だよ。
そう思ったら、きっとこの子は私の準備が整ってからお産が始まる、そんな気がした。
お産が始まるまでにしなければならないこと。
洗濯機搬入、晩御飯の支度、買い物、保育園お迎え、晩の食事、3人をお風呂に入れる…
3人を保育園へ送り、さぁ準備に取り掛かろう!
としたところで、2番目の娘が嘔吐したと、保育園からお迎えコールが…
何でまた今日はバタバタする日だろうか…
娘を迎えに行き、看病にあたり、なんだかんだで洗濯機が届く。
洗濯機の搬入が終わると、今度は自宅分娩を介助していただく助産師のSさんが、分娩道具を運んでくる。ついでにちょっと内診。
子宮口は2~3センチ開いていて、「うん、今晩だね~。急変するようならいつでも呼んでね~。」と言って帰っていった。
ようやくひと段落したところで、今までバタバタして気付かなかったけど、規則的な陣痛はが来てるではないですか!
計ってみると、10分間隔。そこそこ痛い。
いや、待て。まだ始まったらダメなのよ。
気のせい、気のせい。
娘の横で一緒に午睡。
体力も回復し、そこそこの陣痛もありながら買い物を済ませ、2人を保育園へ迎えに行く。
気のせい、気のせい。
カレーを作り始めた。
カレーが作り終わる頃には、痛みも間隔も進んでいて、カレーを食べ始めた頃には、痛くて食べられず、そこへ帰ってきた旦那の顔を見た途端、何か解き放たれたかの様に、耐えられない痛みとなり、旦那に腰を摩ってもらった。
どんどん進む陣痛の中、最後に風呂に入った。
浮力のお陰で、大分痛みは和らいだ。
おまけに体は温まり、緊張感もほぐれ、リラックスした状態で万全だ。
そこへ助産師のSさんが到着。
風呂から上がり、Sさんの顔を見ると、更に痛みは強まった。
いつもそう、Sさんの顔を見ると、何故か陣痛が促進する。
だから、「ご飯が食べ終わる8時頃までは来ないで下さい」と言っていた。
Sさんは、旦那と分娩する部屋を準備し始めた。
2番目と3番目の女子達はお義母さんに預け、1番目の長男はお産に立ち会うこととなった。
立ち会うと言っても、隣の部屋でテレビ見たり、オモチャで遊んでいるだけで、いつもできない"夜更し"ができてウキウキなご様子。
私は準備された布団に転がって、Sさんの診察を受けた。
「あら、あら~。あらら~♪」
Sさんは予想を裏切られて嬉しそうに、「お風呂が良かったのかな~⁉︎だいぶ進んでるわ~♪」
夜の9時。日付けが変わるかどうかってところでしょうか。
そして痛みはグングン加速し、私も声が出始める。
「あーーー」とか「痛いーーー」とか。
長男は時々、「ママ大丈夫~??」と言って、冗談を言ってみんなを笑わせてくれたり、コップにお水を入れて持ってきてくれた。
手伝いの助産師さんは3人で、私の腰を摩ったり、お産の記録をつけたり、写真を撮ったり。
いよいよ本格的な陣痛が起こり、下に下に下がってきた。
私の声を聞いて寄って来てくれた旦那の手を力いっぱい握って、四つ這いの私は腕の力では支えきれずに、枕に頭を押しつけていた。
10時10分。
おしりの方にぐんぐん進んだのがわかり、ものすごい陣痛で息みたくなった。
絶叫と共に破裂音がして、助産師達の驚いたような声が上がった。
破水だ。
羊水の量も多かったのか、四つ這いの私の膝にも伝ってきた。
"さぁ、これからだわ"
次の陣痛も激しく痛い。
"頭出てーーー"という思いで息む。
"頭出たよね!?"と思いながら、右手を股間に伸ばし、出口を指でなぞる。
"あぁ、髪の毛だぁ"
挟まったままの状態から、早く次に進みたいが、うまく息めず呼吸を整える。
"まだーーー?"
そう思いながら、次の陣痛。
「ぬ"をぉぉおおあああああーーーーー!!!」
気合いとこの状況を打破したい思いから、手を伸ばしながら体を起こし、
産道から小さな"かたまり"が出るーーー・・・
ドゥルルロン。
両手でその"かたまり"をすくい上げた。
はなちゃんとのご対面。
本当に、受け取った向きは、私の方を向いている。
「あぁーーー可愛い。」
私はペタンと座り込んで、しばらくはなちゃんを抱いて動けずにいた。
駆け寄ってきた長男の反応は、
「わぁーカワイイー」
ビックリした様子もなく、ホントに可愛いようだ。
後から助産師さんに聞いた話だけど、今まさに生まれる瞬間に、タタタッと駆け寄ってきて、介助している助産師の肩に手を置いて、グイッと覗き込んで来たと言う。
その後の一言。
「あーー、僕男に生まれて良かったー。だって、あんなに痛くて血だらけで大変だもん。男で良かったねー、パパ!!」
素直だなー。
やっと動けるようになると、助産師達は処置を施していく。
4回目の後陣痛。尋常じゃない痛さ。
いちばんビックリしたのは臍の緒だ。
今までで一番の太さ。倍以上ある。そして長い。
それだけではない。色も違う。
3人とも白の半透明といった感じで、所々血管が見えるのだが、
はなちゃんのはほぼ透明、血管がしっかり見える。
しかもプルンプルン。ゼリーみたいに。
恒例の胎盤を食す。
旦那が皿に胡麻油と塩を入れて持ってきた。
生温かいレバ刺だわ。ちょっとシャリシャリする。
計測して、服を着せて、パパが抱っこし、長男も抱っこしてみる。
あぐらの上に小ちゃな赤ちゃんを乗せ、しっかりと抱いている。
その顔を見たら、もう、安心した。
"あぁ、お兄ちゃんなんだなぁ。"って。
2人の妹に見せる顔とはまた違う、頼もしい顔。
長男に恐る恐る聞いてみた。
「赤ちゃん、生まれてきてどうだった?ビックリした??」
「うん、ビックリした!赤ちゃん、ウンチみたいに生まれたねー(*^^*)」
って。
あぁー、そう。そっか、そっか、ウンチかー。
なんか、子どもって、そのまんまを受け入れるんだなー、って、なんか魔法みたいでいいなー、なんて思っちゃった。
やっぱり、お産に立ち会わせて、良かったんだなーって思えたよ。
7月2日、22時12分。
3,266g。
今までで一番大きな子でした。
助産師さんが帰り、一番上のお兄ちゃんは、はなちゃんの横でいつの間にか寝てました。
大役を終えたその顔は、ちょっとだけオトナの顔をしてました。