『リカバリー・カバヒコ』青山美智子 | 好きなこと日記

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読んだ本の感想など

久々読書。
青山さんの作品は本当に心が温まります。

―――小さな古い公園にある、カバのアニマルライド。自分の治したい部分と同じところを触ると回復すると言われている。人呼んで、リカバリー・カバヒコ。。。。カバだけに。

いいなぁ。私ならどこをリカバリーしたいかな、と考えながら読んでいきました。

全5話だけど、少しずつ繋がっている所がいつもと一緒。途中涙が出てきた話もありました。
以下、簡単な感想と心に残った言葉。

奏斗の頭
誰かに勝ちたいとか、認められたいとか、そう思っている時は他人軸になっている時。自分はどうしたいのか、やはり自分軸が大事。
――勝ち負けじゃない。自分が頑張りたいから。
――ただ愛するだけ。それだけ。心をこめて。


紗羽の口
これも自分軸。だけどあのママ友のラインは辛いなぁ。思いが伝わらない時ほど苦しいものはない。
――もう流されたりしない。やるべきことを、やりたいことを、私のペースでしっかりやっていく。
――自分にきちんと合うように。ごまかしのない私でいられるように。


ちはるの耳
泣けた。お客様からの感謝の手紙は本当に嬉しいだろうな。思いはちゃんと伝わっていた。自分だけが不幸な訳ではなかったと気付けて良かった。いい話でした。
耳管開放症は私も経験していて、私の場合は急激に痩せた時ではなく、緊張すると発症していたように思う。緊張=ストレス??
――自分をわざわざ不幸にするのはやめようと、私はそっと耳をさわる。ちゃんと休んでいい。ちゃんとリカバリーするのだ。
――とてつもなく立派な想像力を、私はきっと持っている。だとしたら、それを使って思いやりや優しさをふくらませていこう。相手のことも、自分のことも、もう少しだけまっすぐ愛していけるように。


勇哉の足
――人間の体はね、回復したあと、前とまったく同じ状態に戻るというわけじゃないんだ。同じようには戻らないけど、経験と記憶がついて、心も体も頭も前とは違う自分になってるんだよ。


和彦の目
クリーニング店のおばあちゃんとここで繋がるのかぁ。登場人物みんないい人ばかりでホッコリします。
――変わりゆく状況を受け入れて適応していく、そういう形のリカバリーもある。

――チャレンジもすごいことだけど、アレンジも素晴らしいんじゃないかしら