秀一兄さん。
僕は兄さんの後を追い、明日出撃します。

節子母さん。
どうして兄さんには優秀な一番の人という名前を付けたのか。
不満を言ったら、
『与平というのは、平和を与える人になるようにと付けたんだよ』
と言ってくれました。

玄二父さん。
生まれつき足が不自由なのに、いっしょうけんめい畑仕事をして、僕たちを食べさせてくれてありがとう。

それから美也子。
まだ幼いから秀一兄さんのことは覚えていないと思うけど、きっと兄さんのように頭のいい子になるでしょう。
どうぞ父さんと母さんを助けて、共に生きて下さい。
僕はみんなを笑わせることぐらいしか出来なかったから。

最後に、愛する弥生。
結婚の約束を果たせてあげられなくてすまなかった。
どうか君は、僕の分まで幸せになって、いい人と一緒になって下さい。

僕は御国のために戦って参ります。
みんなには心から感謝しています。

香川与平(16歳)

~記憶の中の手紙より~