理解 4 | AKI 's ミステリー           

AKI 's ミステリー           

これまでに書きためた作品を紹介します。

ブログネタを利用したお遊びstory〈梅と愉快な仲間たち〉も毎日更新♪



「駅とは言え、通勤通学時間から外れた時間じゃ、人はそんなに集まらん。
無差別やないな。
と言うことは、誰かを待っているのか?
それとも、これからどこかへ行くのかな?」

 さすがに博之に気味の悪さを感じたらしく、

「意味のわからんこと、言わんといて下さい」

 彼女はベンチから立ち上がり、サブバッグを返してくれと右手を差し出した。

 もちろん、博之にサブバッグを返す気はない。

「それ、私の鞄です」

「わかっているよ」

「ほな、返して下さい」

「返せんなぁ」

「え? 白昼堂々と泥棒をする気ですか?」

「あはは、泥棒てか、ははは」

 博之はサブバッグを膝の上に乗せ、彼女の目を見つめた。

切れ長の奥二重、澄んだきれいな瞳をしているが、陰がある。

「警察に通報してくれてもええよ、ただ、私は勧めん。
通報を受けて駆け付けたお巡りさんは、このバッグが本当に君の所有物かどうか確認をするために、バッグの中を検める。
都合が悪ないんやったら、通報したらええ」

 内頬を噛み、眉を下げた彼女は、どうしたものかと思案する様子で沈黙した。

サブバッグを取り返し奇妙な男から離れたい、はっきりと顔に書かれている。





つづく。。。

この作品はフィクションです。
実在する団体、人物は存在しません。