午後6時の彼 30 | AKI 's ミステリー           

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これまでに書きためた作品を紹介します。

ブログネタを利用したお遊びstory〈梅と愉快な仲間たち〉も毎日更新♪

『午後6時の彼』(29)は コチラ





 軽やかな小鳥のさえずりが聞こえ、私はコンビニの入口へ視線を移した。



「いらっしゃいませ」



 自動ドアをくぐり抜けた午後6時に来店する男性客が、私へ会釈した。



時計の針は、ジャスト6時を指す。



男性客は回り道をせず、弁当コーナーへ向かい、棚の前で商品を選ぶ。



今日、彼が選ぶのは『季節野菜を使った五穀米弁当』だろう。



「こんにちは」



 いつものように、客の姿を観察し、購入弁当を予想していると、ドリンクコーナーにいたはずの卓也が彼に声をかけた。



 私は瞼をへこませ、2人を見守った。



思いもしなかった展開に、鼓動が乱れる。



しかし、現状を理解する彼は、卓也に滅多なことは言わないはずだ。



「こんにちは」



 彼は卓也に声を掛けられ、微笑んだ。



記念すべき、親子初の会話。



戸惑いと同時に、感激で私の瞼は熱くなった。



「僕、おじさんに、言っておきたいことがあるんです」



 卓也は真っすぐに彼の目を見、話した。



「何かな?」



「おじさん、昨日、見たでしょ。

僕の母は、結婚してます。

付き纏ったって、結婚できないよ」



 私は思わず吹き出した。



が、すぐに口に手を当て、笑いを抑えた。



「え… 」



「おじさん、お客のままでいなよ。

お店に来れば、会えるんだしさ。

付き纏ったら、ストーカーって言われちゃうよ」



 卓也は真面目な顔で、彼に告げた。



卓也が私を守ってくれている。



全身に電流が走り、心が震えた。



「あ… 」



 卓也は返答に困る彼の腕を引っ張り、彼の耳に何かを囁いた。



途端、彼は「あはは」と軽快に笑った。



実の父親とも知らず、卓也は彼とハイタッチをし、目を輝かせた。



「お母さん、今日は飲み物いらないや。

行ってきまーす」



「え、ちょ、ちょっと、卓也」



 機嫌良く塾に向かう卓也を見送り、私は肩を落とした。



未だに、男の子の扱い方がわからない。



一難去って、また一難。



卓也が彼に何を囁いたのか、知るのが怖い。




『午後6時の彼』(31)は コチラ







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申し訳ありません。

今日もエンドに出来ませんでした。

明日も続きます(b^-゜)

お付き合い下さり、ありがとうございます。





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