午後6時の彼 12 | AKI 's ミステリー           

AKI 's ミステリー           

これまでに書きためた作品を紹介します。

ブログネタを利用したお遊びstory〈梅と愉快な仲間たち〉も毎日更新♪

『午後6時の彼』(11)は コチラ



「お恥ずかしながら、私は、博美の死を知りませんでした。

仕事の関係でベトナムに行っておりましたんで。

人づてに博美の死を聞き、驚きました



 彼は背筋を伸ばし、話し始めた。



「最後に博美と会った時、博美は妊娠していました。

博美はシングルで産み育てると決意していましたから、博美が亡くなったとなれば、その子が今どこでどうしているのか、気にかかった次第です。

子供の父親が誰なのか、それは私にもわかりません。

ですが、博美の妊娠を知っていた知人として、子供の行方を把握する必要があると思いました」



 私は彼の話に耳を傾けながら、心の中でダメ出しを繰り返した。



彼のひと言ひと言に引っかかる。



素直じゃないのは私も彼も同じ。



「由里子さん、あなたには11歳になる息子さんがおありですね。

時間を守るよう、厳しく躾けしておられる。

博美は、由里子さんと待ち合わせをしている最中に、事故に遭って亡くなった。

あなたが約束の時間に遅れなかったら、博美は― 」



「止めて下さい!」



 私はテーブルを叩き、彼の話を中断した。



聞きたくない。



彼に、言われたくない。



「私は真実が知りたいんです」



 彼は私の目を見つめ、低音の声を発した。



「真実?」



 彼の求める真実とは何なのだろうか。



真実から目を背けているのは、私ではない。



「博美の死に責任を感じるからこそ、由里子さん、あなたは息子さんに時間の大切さを教えておられる。

彼を育てることで、自分の罪を償おうとしているんじゃありませんか?

彼こそ、博美の子供ですね」






『午後6時の彼』(13)は コチラ




【AKI'sミステリー】 のフェイスブックを作りました虹

いいね、して下さい。

いいねが増えたら、充実させます。Σ\( ̄ー ̄;)オイオイ





ミステリー小説 ブログランキングへ



にほんブログ村


ペタしてね