新作本が発売になりました。 | 七色祐太の七色日日新聞

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怪奇、戦前文化、ジャズ。
今夜も楽しく現実逃避。
現代社会に疲れたあなた、どうぞ遊びにいらっしゃい。

こんばんは!!
時代の再後端を
歩む人間です。

ここ最近
ブログの更新が
不規則になっていたりして、
死が近いのではないかと
心配していた方も
いるかもしれませんが、

生きてますよ。
2本の足で
しっかり大地を
踏みしめつつ
生きてますよ。


これまで何の予告も
しておりませんでしたが、
実は1年くらい前から
コツコツ
本を作っておりまして、

最近その作業が
大詰めを迎えたので
ブログを休んでいたわけです。

で、
その自主製作本が、
先日ついに
完成しました・・・!!



じゃ~ん!!







どうですか。
いいでしょう。



表紙だけで
中身のレベルが
全部分かると
思うんですけどね。

私の本は
いつだってそれですから。




『お胸がドキドキ 
 サイドショー映画の世界』

古今東西の、
サイドショーに関係する作品を
適当に50本チョイスして紹介。
ドキュメンタリーから、
P・T・バーナムの伝記映画、
『フリークス』の
イタリア産リメイク、
貴重物品コレクターへの
密着取材作品まで、
バラエティーに富んだ内容。
合間にはワクワクドキドキの
楽しい教養コラム付き。




興味がない人は
全然面白くないと
思うんですけどね。



すでに
新宿ビデオマーケット
発売してますんで、
物好きな人は
買ってみてください。
将来価値が
出るかもしれませんから。



てなわけで
本も無事に発売、
もう今年の目標
全部終わっちゃったんですが、

本日いきなり
仕事が休みになったんで、
ささやかな
出版記念パーティーとして、
1人自宅で
『ドラキュラ対
 フランケンシュタイン』

の輸入版DVDを
鑑賞していました。


アル・アダムソンの
最高傑作として
とっくに裏映画界で
クラシック化している
この作品、
輸入版DVDは
特典映像満載で、

以前から欲しかったのを
ついに購入。

数ある特典映像の中でも、
自分が一番
見たかったのは
「別エンディング」
の映像でした。

ドラキュラと
フランケンの怪物が
山奥で死闘を繰り広げる
無理矢理なラストで
有名なこの作品に、
まさか
別エンディングが
あろうとは。



さっそく見てみると・・・。


映像は、
終盤ロン・チェイニー・ジュニアが
撃たれて落下したあたりから開始。
女に催眠術をかけた
ドラキュラは、
彼女を車の助手席に乗せると、
自らハンドルを握って
車を運転。
それを後ろから
パトカーで追う彼氏の男。



カーチェイスだ!!
もともとこの映画にも
カーチェイスがあったんだ!!



そしてその辺の建物前で
車を降りたドラキュラは
女の手を柵に縛りつけ、
そこにフランケンも登場。
駆けつけた彼氏が
発煙筒をフランケンに向け、
目がくらんだフランケンは
ドラキュラと揉み合いを・・・。
このあたりは
オリジナルと同じ。


驚くのはここからです。


フランケンと
揉み合うドラキュラは、
指環からのビームを
なんと
フランケンに向けて発射。

フランケンは
そのまま、
胸の中央から

蝋燭レベルの
しょぼい炎を

ゆらゆらと燃え立たせ、
一瞬で絶命。


死んじゃったよ!!!
山奥での決闘は!?



その間に女を
救出して逃げる彼氏。
オリジナルではここで
ドラキュラが
指環からビームを発射し、
彼氏を焼き殺すのですが・・・。

そんな行動は全く起こさず、
がに股で必死に
階段を駆け下り

カップルを追いかける
ドラキュラ。
カップルが車に飛び乗り、
発進させると・・・!!
なんと、
ドラキュラが
空を飛びつつ
追いかけてきます!!

そしてそのまま、
速すぎる編集で
何がなんだか
全然分からないまま
カップルの車と
激突!!

かわいそうなドラキュラ、
ふと胸を見てみると、

背後からでっかい棒が
突き刺さっていました。

そのまま
骨になって死亡。


それと同時に
映画も終了。


そうです、
今も語り継がれる
あの伝説の
山奥での決闘シーンは、
もともと微塵も
存在しなかったんですよね。

製作途中で
暴走族映画からホラー映画に
無理矢理
内容変更されたことで
有名なこの作品、
あの決闘シーンも
その場の思いつきで
後から追加されたようです。


たしかに、
フランケンがドラキュラを
突然裏切る意味が
全然分からない場面では
ありましたが、

やっぱり
何の意味もなかったことが
今回はっきりしました。



しかし
もともと決闘シーンが
存在しなかったのだとすると、
作品のタイトル自体も
あのシーンの誕生の後に
付けられたのでしょうか。
たしかに
別エンディング内でも
ドラキュラが指環で
フランケンを燃やすシーンが
あるとはいえ、
蝋燭ゆらゆらでは
誰も納得しないでしょうし。

山奥での決闘が
必要以上に残酷になったのは、
それへの反動なのか。


あと、
実は間にしょぼい
カーチェイスのシーンが
ちゃんと存在したことも
今回明らかになったわけですが、
こうしたことからも
分かるように、
アダムソンはもともと、
この映画でも
いつも通りのことを
淡々とやっていた
だけなんでしょう。

先ほど見たように、
映画のラストも
本来死ぬほど
地味なものでした。
それが、
思いつきで追加した
滅茶苦茶な
残酷決闘シーンの効果などで、
一気に伝説の
カルト作品になってしまったと。

ほら、
だから以前のブログでも
言ったでしょう。
アダムソンが伝説の
ゴミ監督になるには、
「偶然」や「思いつき」
という
奇跡的要素が
必要だったって。


伝説のゴミ映画は
狙って作れる
ものではないのです。



しかしまあ、
こうして新たな事実が
明らかになるにつれ、
アダムソン監督に対する
興味は増していくばかり・・・。




アル・アダムソン
研究の第一人者、
デヴィッド・
コノウによる
一層の分析を
極東の地より
心から期待して
おります。