【参院選2013】被曝の危険性をストレートに訴える山本太郎の選挙戦~僕は〝本当の事を言う馬鹿〟 | 民の声新聞

【参院選2013】被曝の危険性をストレートに訴える山本太郎の選挙戦~僕は〝本当の事を言う馬鹿〟

右側頭部に広がる円形脱毛症を隠すことなく、山本太郎は聴衆の前に立っていた。彼は「頑張ります」などとは言わない。」ストレートな表現で福島原発による被曝の危険性と政府の無策を訴える。そして若者たちに呼びかける。「国は君たちを守ることなど考えていない」━。自らを「本当の事を言う馬鹿」と言う山本さんの選挙運動に8日、同行した。彼の演説からは、子どもたちを被曝から守ろうという気概が伝わってくる。



【1歳児の母親「被曝を口にできる政治家いない」】

東京都世田谷区の小田急・経堂駅。

突き刺さるような陽射しの下、ベビーカーを押す母親(35)が、足を止めて演説聴き入っていた。

「いま、放射能とか内部被曝って恐ろしいほどタブーになってるじゃないですか。被曝をきちんと口にしてくれる政治家がいますか?私はこの子(1歳)のために西日本から食材を取り寄せています。東京だって被曝は他人事ではないです。だから、太郎さんの話には本当に共感しました。頑張って欲しいです」

山本太郎の演説は、選挙演説というより「脱原発」「脱被曝」演説だ。

「事故後、国や行政が行ってきたことは情報隠しです。福島第一原発の事故が小さいことにしないと原発を続けられないからです」

「皆さんは今でも、不条理を押し付けられているんですよ。食品は100ベクレルまでなら汚染していても安全と言っているなんて狂ってるんです。核種もセシウムしか調べていない」

「放射性廃棄物と同じレベルの食べ物を食べるのは大人だけではありません。子どもたちもです。しかも、子どもたちの身体は大人以上に影響を受けるんです」

「『ただちに影響ない』という言葉を忘れないでください。いずれ影響があるということです。本当の事を言っちゃったわけです」

「いま、国が与えているのは〝被曝の権利〟だけです。〝避難の権利〟ではない」

そして最後にこう締めくくる。

「山本太郎という本当のことを言う馬鹿を国会に送り込んでください。仕事をしない国会議員たちのケツを蹴飛ばさせてください」
民の声新聞-山本太郎①
小田急・経堂駅前で演説する山本太郎候補(左端)。

彼の主張は「脱原発」と「脱被曝」だ

=東京都世田谷区


【「国は若者を守ることなど考えていない」】

昨年12月の総選挙に続く、2度目の国政選挙出馬。なぜ、彼は国会議員を目指すのか。

「もはや、市民運動の中にいるだけでは物事は動かないんですよ。当選すればフリーパスで全国に行かれるし、国政調査権も与えられる。政治の中に入っていかないと駄目ですね。もちろん、当選できたらどこかの会派に入ることになるでしょう。まだ決めていないけれど、全部は無理だから、ある程度政策で一致できる会派を選びたい」

選挙は勝たなければ意味がない。ましてや、子どもたちの被曝回避を進めるのであればなおさらだ。それは山本太郎自身、よく分かっている。

「確かに、議席をとらないと意味がないですよね。手応えはかなり良いけれど、投票日までにどれだけ多くの人に会えるか、ですね。ぜひ、100万票を獲得して当選したい。〝しがらみのない100万票〟が背中を押してくれれば、政府も無視はできないでしょう」

山本さんは、道行く若者たちにも呼びかけた。

「どうぞ自由に写真を撮ってください。でも、僕の話を5分でいいから聴いて欲しい。被曝の話に無関係な人はいないのです。国が君たちを守ってくれるなんて幻想なんですよ。皆さんを守ることなんて、国はこれっぽっちも考えていない。どんどん切り捨てが始まっているんです」

彼の声が若者にどれだけ響いているか、正直なところ未知数ではある。実際、写真を楽しそうに撮っていた10代の女の子は、揃って「太郎さんが何を訴えているのか知りません」と笑った。駅周辺の店舗では、眉をひそめる店員の姿もあった。被曝回避策が重要かを都民にどれだけ浸透させることができるか、当選のカギはそこだろう。
民の声新聞-山本太郎②
「10代20代の皆さん、5分でいいから僕の話を聴

いてください」と呼びかけた山本さん。もはや選挙

運動というより「脱被曝運動」のような気迫だ

=小田急・成城学園前駅


【子どもを被曝から守るために国会へ】

総選挙時からボランティアスタッフとして参加している男性は「総選挙では嫌がらせや冷やかしもあったけど、今回はかなり減りましたね。かなり手応えは良い」と話す。山本さんも「今回は最初のネット選挙ですからね。写メをたくさん拡散してもらえば良い。これがどぶ板選挙だ、というものを見せつけてやりますよ」と力をこめる。

演説後、毎回のように写真撮影の長い列ができるが、それがどれだけ投票行動に結びつくか。山本さん自身「総選挙より、今回の方がヘビーですね。思った以上にヘビー。東京は範囲が広いし、訴えることも多い」と本音も漏らした。

総選挙時に出来たという円形脱毛症は大きくなる一方だが「まだ折り返してもいない。毎日がクライマックスのつもりで頑張りますよ。体調は万全です」と笑顔を見せた。

演説で「砧スタジオには良く来ました。でも今は仕事がありません。日本では電力について都合の悪いことを言うと仕事がなくなります」と自虐的に話した山本太郎さん。福島には数えきれないほど足を運んだ。「ふくしま集団疎開裁判」を支援するための郡山デモにも参加したこともある。

都民は、彼のような「本当の事を言う馬鹿」を国会に送り込むのか。審判の日は21日。
民の声新聞-山本太郎③

「写真撮って」と近づいてきた女の子たちと談笑

する山本さん。出馬の目的は子どもたちを被曝

から守ることだ=小田急・成城学園前駅

(了)