【静岡県民投票】あと1週間~浜岡原発再稼働の是非を決めるのは政治家か県民か | 民の声新聞

【静岡県民投票】あと1週間~浜岡原発再稼働の是非を決めるのは政治家か県民か

静岡県で、浜岡原発再稼働の是非を問う県民投票を実現させようと署名活動が続いている。電力消費地である大阪や東京では住民投票条例案が議会で否決されたが、静岡は原発立地県。県民が投票を望むのか、県議会がどう判断するのか。3日現在の署名数は約5万筆で、法定署名数にはまだ1万2000筆足りないのが現状。11日の最終日に向けて残された時間はあと一週間。スタッフはスーパーマーケットをまわって署名を呼び掛けるなど、ラストスパートに入っている。


【県民投票で原発是非の本音を示そう】

署名活動を展開しているのは、前磐田市長・鈴木望さんらでつくる「原発県民投票・静岡」(本部事務所・静岡市葵区昭和町)。5月13日に活動を開始した。今月11日までに全有権者(約308万人)の1/50の署名(約62000筆)を集めることができれば、静岡県知事に対し住民投票条例の制定を直接請求。条例案が可決されれば、県民投票が実現する。

これまでに電力消費地である大阪市、東京都で同様の直接請求があったが、いずれも議会で条例案は否決されている。東京都議会では、民主党などが提出した修正案が14人の総務常任委員会で7-7の可否同数となったが、都議会公明党に属する委員長が反対を表明し否決された。今回は原発立地県だけに、[みんなで決めよう「原発」国民投票]事務局長の今井一さんも新潟県でで始まった署名活動とともに注目している。

共同代表を務める鈴木望さんは「電力消費地でなく原発立地県である静岡で県民投票条例が成立しなければ、他のどこでも成立しないだろう。秘密が保持される投票によって、県民一人一人の本音を出させたい。民衆の意思が、民主主義では一番強いのです」と話す。原発立地地域でオープンな形で市政懇談会などが開かれてもそこに出席することすらできないのが実情だという。まして原発反対を表明することはさらに難しい。知人に原発関係労働者が多く、人間関係が壊れてしまうからだ。そこに県民投票の意義がある、と鈴木さんは強調する。
民の声新聞-静岡県民投票②
JR静岡駅前の地下道では、主にお年寄りが署名に

応じていた。「これまでの無関心を反省している」

と語る女性も=静岡市


【もはや、無関心ではいられない】

静岡市在住の小笠原学さん(38)は「子どもたちに安全な社会を作り上げたい。これまでの無関心がこういう結果を招いた。これからは政治主導でなく、市民一人一人が意思表示をすることが大切なんです」と受任者(署名を集めることができる人)に登録した。「今後は、自然と命を大切にする政治家を選ばなければいけないと考えています」。

朝から雨が降り続いた1日、小笠原さんら3人のスタッフはJR静岡駅前の地下道で道行く人々に署名を呼び掛けた。

若者がなかなか立ち止まっていかない中、何人かのお年寄りが呼びかけに足を止め、拇印を押した。静岡市内で一人暮らしをしている女性(77)は「浜岡原発にはよく見学に行ったけれど、そこで何をしているのか良く分からなかった。これまでのんびりと考えていた。福島原発で事故が起きた今、そんな気持ちではいられません。次に何かあったら日本は大変なことになってしまう。原発以外のもので電力を作る事を考えなければいけませんよね」と署名に応じた理由を話した。先日も、温泉に入りに行ったら「ここは浜岡原発のおかげで補助金をもらっている」という話を耳にしたという。「もう、そんな話ばっかりで…」と顔をしかめた。
民の声新聞-静岡県民投票①
県民投票実現へ署名を呼び掛ける鈴木代表

(左)。98年から09年まで磐田市長を務めた

=静岡労政会館


【あと1週間で1万2000筆の署名が必要】

鈴木代表は「こんなに手応えのある署名活動はない」と笑顔を見せるが、直接請求に必要な署名数にまだ、1万2000筆ほど足りていないのが実情。2日朝、JR安倍川駅前で行われた署名活動でも、通勤時間帯ということもあって多くの人が足早に通り過ぎた。スタッフは「チラシだけでも」と必死に呼びかけた。富士宮市に住む保育関係者は「自分の周りでは、このような活動があることを知っている人は少ないのではないか。全く話題に上らない」と話す。

静岡市議の宮沢圭輔さん(33)は「厳しいな」とポツリ。「もう宣伝の時期は終わりました。駅頭も地下道も日々、何らかのチラシ配布をしているので、なかなか反応してもらえない。釣りと一緒でそんなに甘くないです。でも、スーパーを廻ると子育て世代が署名をしてくれます。頑張ります。大阪や東京が法定署名数を集めたのに原発立地県の静岡がクリアしなかったらさびしいですからね」と危機感を募らせている。

別の女性スタッフも「こういう活動は、最後まで『厳しい』と言い続けないとスタッフの気持ちが緩んでしまう。でも、それを差し引いてもちょっと厳しいかな…」と本音を漏らした。署名活動が展開できるのは、11日までのあと一週間。都民投票でも、中間報告会では署名が法定数に達しないのではないかとの悲観的な声が多かったが、スタッフ一人一人の努力で最終的に34万を超える署名を集めた。浜岡原発をどうするのか。県民一人一人が真剣に考え、意思表示をする時が来ている。
民の声新聞-静岡県民投票③
JR安倍川駅で行われた署名集め。朝の通勤

時間帯だったため、足早に過ぎていく人も少

なくなかった=静岡市駿河区

(了)