【都民投票条例】原案、修正案すべて否決~都議会総務常任委員会 | 民の声新聞

【都民投票条例】原案、修正案すべて否決~都議会総務常任委員会

原発の是非を都民の意思で決めようと都議会に提出されていた「都民投票条例案」は18日、総務常任委員会で原案、修正案いずれも否決。20日の本会議でも否決される可能性が高くなり、32万もの署名に込められた都民の願いは叶わない見込みとなった。事務局側は「これで落胆してはいけない」として本会議までの二日間で反対派都議へのロビー活動を強化する一方、来年実施予定の都議選に独自候補を擁立することも視野に入れながら、今後も都民投票の実現に向けて活動を続けていく方針。都議会本会議は20日、午後1時に開会する。


【「立地地域に配慮を」と自民・公明が反対】

委員会では原案の採決に先立ち、都議会民主党・都議会生活者ネットワーク・みらいと日本共産党東京都議会議員団がそれぞれ提出した修正案について趣旨説明。民主党の佐藤由美都議は「都民が意思表明をする場はあってしかるべきだ」としたうえで「20歳未満の人や永住外国人にも投票権を与えることにはまだ、多くの議論が必要」として、いわゆる選挙権を有する者などとする修正点を説明した。共産党の吉田信夫都議は「投票実施までのプロセスは最大限自由であるべき」として、原案の「投票運動は都民の自由な意思を拘束し、又は不当に干渉するものであってはならない」とする条文には反対したものの、「わが党は、基本的には賛成だ」とした。

討論では、しのづか元都議(民主)が「原発政策は、第一義的には国が責任もって判断するべきだが、都民が意思表明をする場はあてしかるべきなので、適正な都民投票が実施されるよう、修正案を提出した」、吉田信夫都議(共産)が「石原都知事は『都民投票は国を滅ぼす』とまで発言しているが、立地地域でも原発再稼働には批判的な意見がある。都民的議論の中で投票が実施されるべきだ。投票資格に関しても、全国の多くの地域で20歳未満や永住外国人に権利を与えており、何ら問題ない」、星ひろ子都議(ネット)も「『センチメント』『ヒステリック』など石原都知事は都民の政治参加にを否定する発言が多すぎる。食品の放射能汚染など原発事故は立地地域だけにとどまる問題ではない」として、投票実施に賛意を示した。

一方、吉原修都議(自民)は「原発の是非を住民投票で決めることに疑義がある。今の繁栄は、立地地域が原発建設を受け入れてくれたからこそ成り立っており、立地地域の雇用などに影響を及ぼす意思表明をするのは慎むべき。ふさわしくない。都民限定で単に○×を付けるだけで原発問題は解決するものではない」と発言。伊藤こういち都議(公明)も「二者択一では、多様な都民の意思が反映されない。比較多数をもって都民の意思とすることには合理性を欠く。原発の是非を論じる時には立地地域への配慮も必要で、都民のみで判断するものではない」として反対を明言した。

採決では、都議会民主党・都議会生活者ネットワーク・みらいが提出した修正案への賛否が7-7と同数になったが、吉倉正美委員長(公明)が反対したため否決。共産の修正案、原案はいずれも起立少数で否決された。
民の声新聞-否決①
原案、修正案すべてに反対するとの意見を

表明した、都議会公明党の伊藤こういち都議

=都議会総務常任委員会


【議会構成を変えて、都民投票を実現しよう】

みんなで決めよう「原発」国民投票事務局長の今井一さん(58)は「否決は予想通り」としながらも「32万都民の方がよほど、水準が高い。都議会の馬鹿さ加減は都民の皆さんが一番良く分かっているでしょう」「立地地域を盾に都民投票に反対するなんて、むしろ立地地域の方々に失礼だ」と怒りを露わにした。

さらに「来年の都議選では、条例案に反対した都議を文句無しに落としまくろう。そして、被選挙権を行使して、議会構成を変えない限りは都民投票は実施できない。こまで全国で悔しい思いをしてきた人はたくさんいる。有権者の49%もの署名を集めても、短時間で否決されてしまったケースもある。ここで落胆してはいけない。霧のように皆がどこかへ行ってしまうのではなくて、主権者として声をあげるしかないんです」とし、都議選に独自候補を擁立することも視野に入れて運動を継続していくべきだと述べた。

委員会閉会後、都議会一階ロビーに集まった関係者は、一様にショックを隠し切れない様子。

請求代表者の一人で、意見陳述もした佐藤直己さんは「これで終わりじゃない。この先、どうしていくかだ。まずは残された二日間、駄目元で反対派都議にアプローチしてください」と呼びかけた。

坂下香澄さんも「結果は残念なもの。私たちは投票用紙を前に、悩みに悩んで〇か×かを選ぶ。二者択一の本質を理解してもらえずがっかりした。都議会のあり方は間違っている」と批判した。

条例案は20日の本会議で否決される公算が高まったが、関係者は「今後の選挙に役立てたい」として、本会議でどの都議が賛成し誰が反対したかを全員についてチェックする方針。

さらに「まだ完全に否決と決まったわけではない。今後のロビー活動如何では、奇跡的な逆転もあり得る」として、民主も含めた反対派都議への説得活動を展開する。

集まった署名数32万は、秋田市や那覇市の人口に匹敵する数字。都議会は間接民主制の大義名分の下、これだけの都民の意思を否定しようとしている。

民の声新聞-否決②
「来年の都議選では被選挙権を行使しよう」と

呼びかけた今井一さん(右)


(了)