浜岡原発が事故を起こしても横須賀市民は避難しなくてよい? | 民の声新聞

浜岡原発が事故を起こしても横須賀市民は避難しなくてよい?

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福島原子力発電所のメルトダウンで世界からも注目が集まっている「ハマオカ」。

現在は停止中の「中部電力浜岡原子力発電所」 (静岡県御前崎市佐倉5561)で将来、福島原発に匹敵するような深刻な事故がおきたら横須賀市には甚大な影響はないのか、8日に開かれた横須賀市議会本会議でも質問が出た。


市の結論は「NO」だ。

その根拠は「距離」と「風向き」


市危機管理課 原子力防災担当者によると、浜岡原発のある御前崎市から横須賀市までは約150~160km。

これを福島原発からの距離にあてはめるのだが、

その際に着目したのが風向きだ。

現在も放射性物質を放出し続けている福島原発は、年間を通じて北北西の風が多いという。

福島原発から北北西に150kmに位置するのは山形県新庄市だった。

同課は今回の新庄市の対応を確認しようとしたがかなわなかったため、

約60km離れた同県山形市に変更。「同市を含む山形県は全体的に特段の影響は出ていない。山形市も日常生活を制限していない」(原子力防災担当者)。

海産物に関しても調査したが、茨城県沖から千葉県沖まで「コウナゴ以外からは深刻な値が検出されていない」

(同)。

そうして導き出された結論が

「仮に浜岡原発で福島原発と同じレベルの事故が起きても、避難措置など横須賀市民の生活に影響が出るとは考えられない」

だった。


市は通常、市内にある原子力施設に関してのみ事故時の被害想定をしており、

他県の原子力施設に対する想定はまったくしていない。

今回も、市会議員が質問したことから調べたまで。

被害が想定されない以上、今後も特段の対応はない。

むしろ市の担当者が心配するのは、原子力施設を持たない自治体のことだ。

横須賀市に危機管理課が親切されたのが2008年4月。米原子力空母「ジョージワシントン」の横須賀母港化を9月に控えた対応で、原子力に限らず「あらゆる災害時に中枢部門となる」組織。

横須賀市内には在日米海軍基地(原子力空母や原子力潜水艦が寄港)や核燃料製造工場「GNF」 があるためある程度知識を備えた職員がいるが、より静岡県に近い小田原市など原子力施設を持たない自治体は、原子力関連事故に対する備えができていないばかりか、知識も不足しているという。


「ハマオカ」が廃炉にならない限り運転再開も否定できず、一方で東海地震の起きる可能性は非常に高まっていると言われている。

本当に市民の生命を守るのであれば、原子力施設の有無にかかわらず、

原子力発電所からの距離にかかわらず、

万全の備えをして市民に情報発信することが肝要だ。

(了)

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