先日(16日)の盆栽教室は、苔玉づくり。

 

テーブルの上に、珍しくラップに包まれたおにぎりと弁当箱が置いてあったので、「今日はなぜ昼食付なのだろう?」と思っていると、まったくの勘違い。

 

おにぎりと思ったのは、実はケイ土という苔玉にする土のことで、弁当箱に入っていたのは、ケイ土に張り付ける苔。

 

ケイ(珪)土とは、長い間、 苔類が積み重なって固まったピートモスのようなもので、栄養分が豊富で保水力にも優れているという。

 

苔玉づくりは、このケイ土に苗木や草花を植え、その上に苔を張り付けて、盆景を作り出す。

 

先生の作った苔玉だが、新緑の季節にふさわしい配色と流れるようなフォルム。

さすがに見ほれるほどの美しさ。

 

紅葉する秋の渓谷を思わせる、盆栽ならではの景色。

 

 

まず初めに保水力を高めるため、ケイ土に、水に浸した水苔を1、2cm刻んで練り込む。

 

次にネットを敷き、自分の作りたい苔玉の形をイメージして、その大きさにネットを切る。

・・・といっても、素人には初めてのことなので、とりあえずひょうたん型にしてみることに・・。

 

ネットに、仕上がった土を乗せ、本日用意してくれた「紅紫檀(べにしたん)」と「唐カエデ」、そして盆石(軽石)を、それぞれ配して行く。

 

まずは先生が基本的な作り方を実演。

 

とりあえず基本的な形が完成。

 

ふたつの素材を配したら、次にその周りに苔をまんべんなく貼り付け、U字型の針金で仮抑えして、木綿糸で、周囲をぐるぐる巻きにする。

この糸巻きの工程はかなり熟練を要するらしく、丁寧かつ十分に巻き付ける必要があるとか。

▲木綿糸を一巻全部使うくらいにぐるぐる巻き

 

最後に盆栽に張り付けた苔を綺麗に刈り取って、そこに張り付けたネットも少し小さめに切り揃えて終了。

糸は自然に溶け、苔はしばらくすると再び生えてくるという。

 

紅紫檀は、春に白い花をつけ、秋になると紅葉するというから、唐カエデとの相性がいいらしい。

 

・・てなわけで、自分も左右対称ながら作ってみたが、果たして秋にはどんな風になるのやら?

 

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話は変わって、初回に作ったモミジや楓はいまこんなふうに変化したのでご報告。

 

第一回目の山モミジは、現在青葉が綺麗に色づいて見応えが出てきた。

●山モミジ

▲BEFORE 3月16日

 

今ではすっかり変わって青葉に変色し、大人の風格が・・。

▲5月20日現在

 

●七変化もみじ

▲BEFORE 3月16日

 

すっかり葉が茂って、紅葉の林のよう

▲5月20日現在

 

因みに、いままで「モミジ」と「カエデ」はの区別がつかなかったが、調べてみると大きな違いが・・。

 

モミジは、漢字で「椛」もしくは「栬」と書き、葉が赤、または黄色くなるという意味の「もみず(紅葉ず)」という動詞に由来するらしい。

一方、「カエデ」は、カエルの手にも似た葉の形に由来しているが、植物学的には同じカエデ属カエデ科とのこと。

その違いは、葉の形で、モミジが深いギザギザの切れ込みがあるのに対し、カエデの葉は切れ込みが浅く、いわゆるカナダの国旗メープルの形をしているもの。