ずっと前からやりたいと思っていた”盆栽”を、ついに始めることにした。

 

盆栽と言えば、老人趣味の最たるものと思われてきたが、最近では海外でも人気のある”アート”として認知され始めてきた。

 

考えてみると、日本人は盆栽に限らず、庭も、生け花も、自然を人の手で、極めて小さな空間に再現することに熱中したきた民族。

あるいは、目に見えない俳句の世界も、ひょっとするとこの嗜好に属するのかもしれない。

 

いずれにしても日本人は、花や樹木を鑑賞することはもちろん、名もない草や苔、さらには林や森、山、渓谷などの自然界そのものに美を感じとることのできる国民なのだろう。

 

実は、盆栽と言っても、きっかけは山野草と苔を使った盆栽だが、先生の話を聞いいているうちに「小品盆栽」というジャンルがあることを知った。

高さ15cm以内が小盆栽、25cm以内が中盆栽、それ以上がいわゆる「盆栽」ということらしい。

最も興味を持ったのは、「実生(みしょう)」という作業。

樹木や草花の実をとって、発芽させるという。

発芽するまでに1年、一人前の木に育つには最低でも5年くらいはかかるというから、老人にとっては気の遠くなる話。

しかし、自分がタネから育て、思うように姿かたちに仕立てて行くのは、さぞ面白いだろう。

楓のタネから育てた小品盆栽

手に取って見せてくれた楓の小品盆栽は、タネから育てて5年になるという。

真っ赤に紅葉した楓の林は、さぞ美しいことだろう。

山で花木の実を採取する楽しみが増えてきた。

 

先生が、「若いうちに道楽しておかなくては・・」というが、それは、高価な盆栽を買って失敗をしなければ、その醍醐味を味わえないということらしい。

経験を積んで、目が肥えてくれば来るほど高価な枝ぶりの盆栽を手に入れて、楽しみたいと言うことだろう。

 

見学した日に、シクラメンの原種という山野草をもらったので、本日、苔をとって来て鉢に植えてみた。