はじめに

登山記録は、4年ぶりの更新です。その間も年間6~8回、夏山も3泊、4泊の縦走を重ねているので、今後も登山のたびに更新をするつもりです。

今回は、ちょうど1年前に登った日向山が、非常に印象に残っているので紹介します。

 

●日向山  2019年6月1日(日) 晴れ時々曇り  

 山梨県北杜市 日向山(1,659m) 

 <参考コースタイム>

  JR中央線韮崎駅→(タクシー45分)矢立石→(1時間30分)日向山山頂→(1時間)矢立石→(20分)竹宇(ちくう)駒ヶ岳神社→(10分)尾白渓谷散策(往復30分)→(徒歩50分)道の駅はくしゅう→(タクシー)韮崎大村美術館→(タクシー)むかわの湯→(バス)→JR韮崎駅

 <参考合計タイム> 4時間20分

 <日帰り温泉> むかわの湯

 <参加者>3名

 

日向山(ひなたやま)は、甲斐駒ヶ岳の北東に位置する風光明媚な山として人気がある。

山頂付近は花崗岩の白砂に覆われた特異な景観で、甲斐駒ヶ岳がすぐ目の前に聳え、八ヶ岳の独立峰もふもとから全山そっくり眺められる抜群の展望を誇っている。

 

尾白渓谷の下流の白州は、山頂付近の白砂が雨で流されて洲となったために”白州”と名付けられたのだろう。サントリーやシャトレーゼの白州工場がすぐ近くにある。

 

日向山は、以前から登山候補には上げていたのだが、いかんせんアクセスが悪く、二の足を踏んでいた山である。

ところがメンバーの一人が、この山を登山候補に上げてきたので、「それでは・・」というので、梅雨入り前に決行することにした。

肝心のアクセスだが、バス利用の方法もあるが、バス停の白須から登山口の矢立石までは舗装道路を2時間近くも歩かなければならない。したがって登山客のほとんどは、マイカーで尾白渓谷キャンプ場か、登山口の矢立石の駐車場を利用する。距離的には矢立石の駐車場に停める方が有利だが、駐車スペースが狭いのが難。

駐車スペースは15台ほどか?

われわれは中央線韮崎駅から登山口の矢立石までタクシーを利用することにした。中央線の駅としては韮崎駅より長坂駅の方が近いかもしれないが、この駅は無人だから、事前にタクシーの予約が必要になるだろう。

矢立石の登山口は、尾白渓谷の駐車場からの合流点となる。

登山口の標高は1,120mだから山頂までの標高差は540mほど。

広葉樹の鬱蒼とした樹林のジグザグ道を黙々と登ることになるが、季節は梅雨入り前の新緑の季節。

若葉から青葉への移行期で、ヤマツツジやミツバツツジも咲き誇って、急坂もさほど気にならない。

広葉樹の樹林からカラマツ林の針葉樹林になり、樹間から青空と八ヶ岳の峰々がわずかに垣間見られるようになる。晩秋の頃は、黄金のカラマツ林の登山道になるに違いない。

足元に笹原があらわれ、傾斜が緩くなると、日向山山頂の三角点に出るようだが、実はその山頂に気付かず通り過ぎてしまった。

ガイドブックによると、日向山ではなく、雁ヶ原と記載している場合もある。この雁ヶ原(1,622m)は、日向山のすぐ隣にある山で、山頂にはなぜか日向山山頂の標識が立っているという

恐らく日向山の山頂が展望がきかないのに対し、雁ヶ原の方が上記の通り抜群の展望所であるためだろう*注。雁ヶ原は、古くは”岩ヶ原””の当て字を使ったように、むき出しの岩に覆われた山。

標高は、日向山の方がわずか37mほど高い。

 *注 山と高原地図「北岳・甲斐駒」の地図上、日向山「展望良好」と記載されているが、これは正しくは雁ヶ原の間違いだろう。

やがて樹林を抜けだすと、その先にある景観がいっきに視界に飛び込んできた。

視界の先には、抜けるような青空と、まるで雪原のような白砂が広がっている。

海辺の美観として”白砂青松(せいしょう)”という形容があるが、ここでは”白砂緑林”とでも形容したくなるほど白と緑のコントラストが美しい。

白砂緑林の向こうに、残雪の甲斐駒ヶ岳が・・

日向山(雁ヶ原)の標識

ぼろぼろになった木の標識に日向山と山梨百名山の文字が見える。登山口からわずか1時間半程度のあっけない行程だ。

 

南西の山稜に、まだ残雪の甲斐駒ヶ岳が、そして北側には、編笠山、権現岳、赤岳の八ヶ岳の峰々が縦(南北)に連なって見える。

残雪の甲斐駒ヶ岳

正面に聳える八ヶ岳

見渡す限りの白砂のザレ場は、まるで雪原のように眩しいばかりに輝いている。

花崗岩は、風雨にさらされると風化する性質があるという。そして風化によって地肌が崩れて砂状なる。

北アルプスの燕岳の山頂付近の白いザレ場を思い出した。

雁ヶ原の山頂を先に進むと、錦滝を経て駒ヶ岳神社に直接向かうルートと、尾白林道を経て矢立石に向かう2つのルートがある。

われわれは時間の関係もあり、来た道を引き返し矢立石から駒ヶ岳神社に下るルートを選択。

 

下山途中、コメツガの樹間から鳳凰三山のひとつ地蔵岳のオベリスクを見えた。

ひときわ尖った岩がオベリスク

 

矢立石の登山口から、駒ヶ岳神社への道は、地図には記載がないが、注意深く林道の右斜面を見て歩くと、細いジグザグの道に出合うことができる。どこかに道標があったのだろうか、見落としてしまったようだ。

神社まではおよそ20分ほどか?

山中にしては立派な駒ヶ岳神社

あとで気が付いたのだが、この駒ヶ岳神社こそが、甲斐駒ヶ岳の正式な登山口である。

日本三大急登の一つに数えられる黑戸尾根は、途中、鎖や梯子が連続して現れる急峻な尾根筋で、しかも山頂までの全行程が10時間半という長い距離。

いまでこそ、甲斐駒ヶ岳への登山口は、南アスーパー林道を利用した北沢峠がメインだが、昔はこの駒ヶ岳神社が正規のルートだったのだ。もちろんいまでもこの日本三大急登を利用する登山者は後を絶たないという。

 

神社の境内に、駒ヶ岳と尾白川の由来が書いてある。

「甲斐駒ヶ岳の名称は建御雷神から生まれた天津速駒という白馬が住んでいたことに由来し、同様に尾白川もこの白馬の尾から取られたもの」。

尾白とは、白い砂に由来するものとばかり思っていたが、白馬の尾とは意外だ。

 

神社から尾白渓谷の渓谷美を楽しもうと、吊り橋を渡って河原を歩いてみた。

 

 

流石に観光スポットだけあって、渓流は透き通るように青く、滝の景観も素晴らしい。紅葉の季節はなお素晴らしいのだろう。

 

われわれのその日の行程はまだまだ先がある。

ここもいまだバスの便がないので、舗装道路を1時間弱かけて白須まで延々と歩かなければならないのだ。

結局、途中の”道の駅はくしゅう””で一服してタクシーを呼んで、韮崎大村美術館まで。

 

大村美術館へは、実はその隣に日帰り温泉「武田乃郷 白山温泉」があるというので立ち寄ったのだが、その日は生憎の休業とか。そこでノーベル賞受賞者の大村智博士が建てたという美術館へ。

博士が韮崎出身ということもあってか、ノーベル村と書いてある。

結局その日は、さらにタクシーを呼んで、日帰り温泉で有名なむかわの湯でひと風呂浴びて、韮崎の居酒屋で一杯。

ここでようやく、長い長い一日を終えたという次第。

 

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