●奈良倉山 2014年11月8日(土) 快晴

 山梨県小菅村 奈良倉山1348m 鶴寝山1,368m


<参考コースタイム>

 JR中央線上野原駅→バス50分・鶴峠(登山口)→(1時間10分)奈良倉山→(40分)松姫峠→(20分)鶴寝山→(25分)山沢ヌタ分岐→(30分)トチノ巨樹→(35分)ワサビ田→(40分)小菅の湯

 <合計徒歩時間>4時間20分 20,000歩

<日帰り温泉>  小菅の湯


 ●新緑の奈良倉山はこちら(2010年5月


秋もだいぶ深まった11月8日、何か月かぶりかにやっとメンバー5人が揃って、奥多摩の西端にある奈良倉山へ。


奈良倉山(1,348m)は、大月市が選定した秀麗富岳十二景の5番目に数えられている山にしては、知名度がない。ほとんどのガイドブックにも紹介されていないほど目立たない山だが、ここ数年で中高年を中心に登山者が急増したたようだ。


上野原駅前は、8:30分発のバスを前に、8時前ころからすでに登山客が長い列をなしている。結局、臨時バスが1台増発され、終点の松姫峠の手前の鶴峠でほとんどの登山客が下車。上野原から50分もバスに揺られることになる。

途中の車窓からみる山々は、まだ紅葉には早いようだが、山頂付近の進み具合は果たしてどうだろう?

出発地点の鶴峠の標高は、すでに850mあるから山頂までの標高差はおよそ500m。

登山道からいきなりの急坂だが、森はブナやナラ、ホウ、カエデなど色とりどりの広葉樹が豊富で気分は上々。

4年前の新緑の季節、グリーンシャワーに圧倒された記憶がある。その時の体験を思い出して、今回の紅葉狩りとなったわけ。



期待通り、高度を稼ぐにしたがって、黄色や赤い葉が増えてきたが、すでに期限切れの落葉樹もかなりある。


奈良倉山山頂までは、わずか1時間10分程度の上り。

案外きつい登りだが、明るく色とりどりの樹木を見ていると飽きることがない。

山頂は残念なが眺望に恵まれないが、少し北側斜面を下りると富士山展望所と書かれた案内板がある。そばにいた男性が、「少しだが、富士山が見える」という。

目を凝らしてみると、ほんのわずかだが、ぼんやりと富士山の姿が、はるか雲上に浮かんで見える。

富嶽十二景の中で最も富士山に遠い山だというのもうなずける。だが晴れていれば手前に御正体山を従えて、中空に浮かんだような富士の姿はさぞ美しいだろう。


山頂から平地をしばらく進むと、左斜面にカラマツ林が見えてきた。ちょうど黄金色に染まって、視野がパッと明るくなった。


この繊細な黄金色の針葉樹の隊列は、広葉樹に劣らず、秋を彩る色彩として欠かせない。奥多摩では数少ないカラマツ林と言っても良いだろう。

アボンリーへの道(Yさん命名)
<からまつの林を過ぎて、

 からまつをしみじみと見き。
 からまつはさびしかりけり。 

 たびゆくはさびしかりけり    (白秋)>

針葉樹林を抜けると、やがて道はナラやブナの林になり、ゆっくりと松姫峠に近づいて来た。

山頂から40分ほどで、松姫峠に着。ここがバスの終点で、10台くらい駐車できるスペースと公衆トイレがある。

道路を挟んで、寝鶴山(1368m)を経て、大菩薩峠に連なる登山道がある。

この辺りは松姫鉱泉など松姫にちなんだ地名がいくつかある。武田信玄の息女松姫が織田勢から難を逃れて八王子に落ち延びた経路だという。

もっとも実際に松姫がこの道を通ったかは不明だが、松姫が髪を下して尼になった「信松院」という寺は、いまでも八王子にある。2年後の2016年が松姫没後ちょうど400年になる。(調べてみると、意外やこの寺はわが家から数キロ離れているところにある)。

松姫という名がいまでも語り継がれているのは、戦国時代には珍しい松姫の純粋な悲恋物語が背景にあるらしい。

峠から少し登ると、展望のきく伐採地があるので、ここで昼食。

この峠からも富士山が見えるはず。

本日の天気は、気温が下がるという予報だったが、どうして日焼けするほのどの暖かな陽気。

ススキに囲まれれて、ふかふかの草地に座る心地よさ!

バーナーを出して、湯を温めて、相棒持参のワインを一杯!

食後はめいめい持参のラフランスやナシ、リンゴ、柿などのデザートを食べながら、あっという間に1時間も過ごしてしまった。これが後に災いとなるとは知らずに・・・?


次に目指すのは鶴寝山。

この山の少し手前に、二輪草の群生地への分岐がある。春にこの道(やがて合流)を使ったので今回は寝鶴山を目指すことにした。

ちょっとした坂を登ると30分ほどで山頂に着。山頂からの景色はほとんど得られないので、単なる通過点。

少し下ると、山沢のヌタの分岐がある。真っ直ぐ進めば、牛ノ寝通りを経て大菩薩に向かう道となり、右折すると、トチの巨樹への道になる。

われわれは巨樹の道を通って、小菅の湯に浸かることになっている。

相変わらずみごとに紅葉した様々な種類のカエデが山道を彩って、目を楽しませてくれる。

道はやがて北側の谷を目指してトラバースして行くが、この辺りから落ち葉がたっぷり敷き詰められた道になる。

し~んと静まり返った森の中で、カサカサと落ち葉を踏みしめる靴音だけが聞こえるのは、すでに冬の風情と言っても良い。

どこかで晩秋から初冬のトンネルをくぐり抜けてきたらしい。


ヌタの分岐から落ち葉の坂道を30分ほど下ると、やっとトチノ木の巨樹が眼下に見えてきた。

幹回り7.25mのこの巨樹は、推定約600年と言われるから、室町時代頃からこの森を見守ってきたことになる。中が一部洞になっているのが痛ましい。

登山道がいよいよ麓近くになって、左右の谷間から細流のせせらぎの音が聞こえてきた。

細流が、やがて四方から水を集めて渓流になる。

この辺りの小菅村が、東京都の水源になる

巨樹を後にして、30分ほど緩やかな坂道を下ると、渓流にワサビ田が開けてきた。このワサビ田が県内最大の収穫量を誇るとか。

ワサビ田から40分歩いて、ようやく小菅村の里に近づいて来た。

民家の庭に、鈴なりに実の付いたみごとな柿の木がある。

どれもブドウの房のように柿がぶら下っているのが珍しい。

甘柿だろうか、渋柿だろうか?



3時30分、ようやく本日のゴール地点の小菅の湯に到着。

この温泉は、世界でも珍しい水素イオン濃度(PH)9.98という高アルカリ性温泉とか。

確かに湯に浸かると、油にように肌にまとわりついてくる。


この温泉の楽しみは、様々な風呂のほかに、館内の食事処にある。山菜の天ぷらやイワナやヤマメの塩焼きなど豊富なメニューがある。

前回訪れたときは、ここで山菜の女王と言われる「こしあぶら」の天ぷらを食べた。


湯上り後、ビールを頼む前、念のためにバスの時刻表を見ると、上野原行きのバスの最終便は、

な!なんと15分後カゼ。(奥多摩行のバスは17:45分があるが、帰りは遠回りになる)。

天ぷらどころか、生ビールさえ飲んでいる時間がない。

昼飯に時間を掛けすぎたのが”あだ”となったよう!


仕方がない。ここは断腸の思いで、受付で缶ビールを買って、バスの車内へ!


他のグループの女性たちも、次々と缶ビール片手にバスに乗りこんできた。


この日、男性群は女性群と別れて、八王子で途中下車。

居酒屋で生ビールで乾杯したことは言うまでもない。


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