●仁淀ブルーを求めて 2014年5月7日(水) 快晴

 高知県仁淀町へ


その3から続 く 

旅の4日目、早朝から蒸せるような暑さで、夜露に湿ったテントやカヌーを乾かすには絶好の日和。

本日は、仁淀川の上流に遡り、中津渓谷に寄って、「仁淀ブルー」を見ることになっている。今回の旅の目的のひとつでもある。

仁淀ブルーとは、写真家の高橋宜之氏が名付けたオリジナルの色彩名で、いまや仁淀川の代名詞ともなっている。ふところ深い森がはぐくんだ、清冽な水ならでは独特の色らしい。

仁淀川の流域は、およそ90%が森林に覆われ、その間を切り裂くように流れる渓谷と、ほんのわずかな集落と畑地と茶畑、そしてダムと道路が分かち合っている。
川の上流や支流には、中津渓谷や安居渓谷、鳥形山などの雄大な自然や、いまだ手つかずの原生林が豊富に残っているという。


この雄大な自然に囲まれて育ったのが、植物学者牧野富太郎。近接する佐川町で生まれ、仁淀川で採取した草に日本で初めて「ヤマトグサ」の学名を付けたとか。

*ちなみに、「酒場放浪記(BS放送)」で有名な俳人、エッセイスト吉田類氏も仁淀村出身。

本日目指す「中津渓谷」は、仁淀川の支流中津川と北川の分岐にある。この分岐を南下し、33号線をずーっと西に辿ると松山市になる。

仁淀川町は高知県の西端に位置するから、あとわずかで愛媛県との県境になる。途中、どこかの峠で、「竜馬脱藩の道」につながるはずだ。


渓谷の入り口近くで昼食を摂り、ダイナミックな岩と渓流の道を遡ってみる。
仁淀ブルーとは、一体どんな色のイメージなのだろう。


たとえて言えば「瑠璃色」、あるいはもう少し薄い青?


日本の伝統色に「覗き色」という色がある。

別名「甕覗き」ともいわれ、藍染の甕に白い布がほんの少し覗いただけで、わずかに青に染まってしまういうのが語源らしい

あるいは仁淀ブルーとは、ほんのわずか青い空を覗いただけの初(うぶ)な色なのかもしれない。


中津渓谷沿いの遊歩道は1.6kmにおよび、最終地点まで遡るにはかなりの時間がかかりそう。

                        竜宮の淵

      落差20mno雨竜の滝            巨大な一枚岩?に囲まれた岩の回廊


ここでわれわれは3人は、帰還組4人と別れ、高知を横切って、愛媛県の大洲(おおず)の町の入る。

大洲は、伊予の小京都といわれる、旧城下町だ。


その5へ続く

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