●高水三山 2013年6月15日(土) 曇り時々雨 温泉
東京都青梅市
高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)
<参考コースタイム>
JR軍畑駅→(30分)高源寺→(50分)常福院→(10分)高水山→(35分)岩茸石岳→(30分)惣菜岳山→(60分)→御岳駅→川辺駅(日帰り泉)
参考歩行時間:4時間15分
参考登山歩数:約20,000歩
●日帰り温泉:梅の湯
高水三山は、高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)の三山を総称する。多くのガイドブックに、奥多摩や登山の入門コースとして紹介され、山ガールのメッカとも言われいるという。
因みに、花の百名山の著書で有名な田中澄江が、この高水三山を登ってから山のトリコになったとか。
そんな山だから、きっとハイカーでごった返すだろうと、いままで敬遠してきたのだが、6月の梅雨どきは樹林が雨を遮って、青葉も見ごろと、この山を選択。
それにYさんと、自身の新しい靴の試靴の山としても手ごろかも・・・?
もっともこの山は女性軍には鬼門に当たる方角か?
朝一番にYさんからメールがあり、「電車の乗り継ぎを間違えて遅刻」という知らせ。ほぼ同時にKさんから、「いま同じ電車で立川から青梅線に乗った・・・」とのメール。ところが奥多摩行きの電車に乗り換えるため、青梅駅のホームで待っても、なぜかKさんの姿がない。しかたなく、一人で目的地の軍畑(いくさばた)まで乗車したが、駅には相棒がいるだけで、Kさんの姿がない。同じ電車に乗ったはずなのに、一体どこに消えてしまったのだろうか?
Kさんに電話をすると、「なぜか、いま立川行きの電車に乗っている」と、ミステリーじみたことを言う。立川駅から乗って、立川駅に向かっているとは??
結局、二人とも30分遅れの次便で駅に到着したのだが、この不思議の謎は、どうやらKさんの居眠りに原因があるようだ。青梅駅まで来たが、寝込んでそまま折り返しの立川行きに乗っていたというわけ・・。
・・てなわけで、女性二人からビール2杯のペナルティの権利をもらって、ちょうど10時に徒歩で高水山を目指して出発。
高水三山はバスを使わず、駅から駅に徒歩で上り下りできる手軽さが、登山者に好まれる理由だろう。
梅雨どきのせいか、予想に反して、この山を目指す登山者は、7~8組(30人程度)とあまり多くはないが、やはり女性だけのパーティーが多い。
軍畑駅前(コンビニははないが、食品店がある)
30分ほど舗装道路の山道を登るのだが、途中、山里らしく茅葺の廃屋やささやかながら渓流のせせらぎもあり、川魚の稚魚も泳いでいる。
このところ関東地方は、梅雨真盛りで、数日前から雨続き。本日の天気予報は、夕方まで曇りだが、のち雷雨があるというから、サクサク登って、日帰り温泉で汗を流そうという計画。
平溝川に沿って20分ほど舗装道路を歩き、高源寺の分岐を右折して進むと、ようやく登山道の入り口になる。
この道は、高水山の直下にある、浪切不動明王を祀った古刹・常福院の表参道にあたるらしい。登山道入口から少し登ると、「四合目」と記した立派な石標がある。
以後、山頂までこの石評が立っている。
登山道に差しかかると、鮮やかな緑の下草に覆われた檜の樹林に、淡い花をつけた花木が目に付くようになった。
通常のアジサイと似ていなくもないが、地味で色もさほど濃くはない。近づいてよくみると、白と青の2色ある。
家に帰って図鑑で調べると、この花木は「コアジサイ」といい、青から白に変色するという。
もっとも、青と書いたが、実際には青というより紫色に近く、「紫陽花」の漢字をあてるのも頷ける。
このコアジサイが、高水三山全てに咲き乱れているから驚き。
展望の効かない檜の樹林は薄暗く、この時期花が楽しめるとは予想もしていなかったので、コアジサイの群落を目にして、ずいぶん得した気分になる。
この花木は湿気を好むというから、一年中この山域には陽がささないのだろう。
このほか、山中で珍しく木イチゴの実を見かけたのも予想外。グリーン一色の草に真っ赤なイチゴの実が映えて美しい。
木イチゴといえば、バラ科のイチゴだけでなく、モミジ科の木イチゴも発見。
バラ科の木イチゴ モミジ科の木イチゴ
歩き始めて1時間を過ぎたころ、檜の植林が途切れて、鮮やかなモミジの新緑が目に眩しい。
徐々に、人工林が途絶え、豊富な広葉樹が広がって山頂に近づいてきたようだ。だがこの山は、入門編とはいうものの、結構な急坂がある。
スタート地点から、1時間半かかって山頂直下の古刹・常福院に着。下から見上げると、山門の扁額に紅葉の葉がかかって、まるで京都の古刹のような風情がある。
高水山常福院の本尊は、浪切不動明王で、寺の縁起によると、仁寿3年(853年)、智證大師が唐に渡る際、海が荒れて琉球国まで流された。このとき大師が不動尊を念じたところ、不動明王が舳に立って剣で波(浪)を切って危難を救ったという。そこで帰国後不動明王像を彫ってここに安置したという。
鎌倉時代には畠山重忠が、太刀や常盤御前の鏡なども寄進したと伝える。
カヌー仲間のKさんが、寺に”カヌー”が奉納してあると勘違いしたのは、その浪切りの「大剣」に他ならない。
浪きりの大剣
お寺の脇に皇太子・雅子夫妻が初めて登山した石碑があり、平成16年6月16日と刻まれている。本日が6月15日だから、わずか1日違いとは偶然。
この寺院から山頂までは、急坂を登ればわずか10分足らずで着く。
高水山頂はそこそこ広いが、展望にはあまり恵まれない。本日はしかも曇り空で、わずかに山並の向こうに町並みが見下ろせるだけ。
12時近くなっているので、山頂のベンチに腰掛けて、ここで昼食。
山頂にもあまり登山者がいないのは、やはり予想外。反対側から登ってくる人も少ないようだ。
高水山の由来は、古書によると、この辺りに白糸の滝、五段の滝、精進ヶ滝、舛ヶ滝他四十八滝があり、高い山にこのように水が豊富にあるところから名付けられたという。
出発間際、心配していた雨がポツリと降ってきたので、ザックカバーをして出発。
次に目指すのは、高水山よりわずか40mほど高い岩茸石山(793m)。
急坂を下り、タワンだ道を辿ると、岩茸石山の下で道が分岐し、左に曲がると山頂を迂回する巻道になる。
もちろんここからは、山頂を目指す道をとるが、切り立つような急坂が立ちはだかるようで侮れない。
ほぼコースタイム通り35分かかって岩茸石山頂に着。
ここからの見晴らしが良い。晴れていれば、奥多摩、秩父、遠く新宿やさらに筑波、日光あたりの景色まで見渡せるという。
さてここから最後の三山のひとつ惣岳山に向かうのだが、この行程が入門編とは思えないほど急坂と、岩場もあって変化に富んでいる。
まず岩茸山からごつごつとした岩場の急坂を下ると、再び檜の樹林に入り、そこを抜けると、コアジサイの群生に出る。
緩やかな道を辿ると今度は、険しい岩と木の根の急坂に取り付くことになる。
岩茸(いわだけ)山とは、案外「岩だけ」が転じて呼ばれるようになったのではないかと思うほど、アチコチに岩が露出。
木の根は、岩に邪魔されて地下にもぐり込めず、地表に露出して荒々しい。
岩場は下から見上げると、まるでロッククライミングをしているようだが、実際にはロープも張ってあり、道もジグザグで見た目ほど危なくはない。
だが、本日は昨日の雨の名残で滑りやすく、油断がならないのは事実。
岩茸石山から40分ほどで三山最後の惣岳山の山頂に着。
山頂は檜に覆われ見晴らしが効かないが、広い平地に青謂神社の奥ノ院がある。
本日は、陽は照っていないが、湿度が高くシャツの下は大汗をかいている。ここでもじっくり水分補給をして、あとは一路、御岳駅に目指して下るだけ。
山頂
山頂から少し下ったところに杉の巨木があり、脇に真名井天神の水場がある。柄杓があって水が汲めそうだが、飲んで良いものやら分らない。
この辺りには樹齢数百年を重ねた杉の巨木が何本もあり、ご神体としてしめ縄が張られている。
山頂から駅までは、「関東ふれあいの道」と呼ばれるなだらかな道となり、比較的歩きやすくなる。
途中、左に沢井駅への分岐があるが、御岳駅に比べてわずか200mだが距離がある。
われわれはそのまま御岳駅に向かって下り、コースタイムより15分早くゴールに着。
駅は踏み切りを渡り、右折すると駅横に出る。
このあと恒例の温泉だが、この辺りには日帰り温泉がないため、電車に乗って青梅線の川辺(カベ)駅に下車。駅からからほど近いビルの上にある「梅の湯」に浸かることになっている。
本日は、湿度が高く、汗びっしょりで温泉の湯が心地よい。
すっかり汗を流して、もちろん風呂上がりの良く冷えた生ビールが堪らない。
本日は生ビールのあとは、御岳駅の次駅にある小西酒造の「澤乃井」の冷酒に舌鼓を打った。
新品の登山靴も、わずかに足首あたりが擦れた程度で合格。
本日の登山歩数は20,000歩也
日帰り温泉:梅の湯
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