●仁淀川 2012.5.5 快晴
旅の8日目(5月5日)は“8泊9日の四国ツアー”のラスト前日。
明日でこの旅もとうとう終りを告げることになる。
運良く今日も、カヌーにはもってこいの凄まじいばかりの快晴。
岸辺は、鳥のさえずりがうるさくて、寝袋の中で目を覚ますほど。
外はシャツ1枚では少し肌寒いぐらいだが、朝のすがすがしい空気は何ものにも代えがたいほどの爽快感。
本日は、キャンプサイトの前からフネを漕ぎだして、いつも温泉に浸かる道の駅「土佐和紙工芸村くらうど」まで約15kmを下る予定。
みな6時頃から起き出して、コーヒーを淹れ、のんびり川を眺めてから朝食の用意。
昨日作ったうどんの汁を利用してオジヤ、漬けもの、七輪でひものを炙って純和食。
メンバーの高齢化?に伴って、このところ食事は和食が多くなった?
そのうち「やっぱ朝飯は、納豆、味噌汁でしょ!」とかなんとか・・・。
仁淀川についてから川の濁りが消えて、日いち日と透明度が増して来た。
師匠いわく「これほど短時間で水がきれいになるのは、関東地方ではありえない」とか。「上流の山がしっかりしている証拠」だという。
いよいよ午前9:30分ころキャンプサイトから乗艇して出発。
流れはゆったりとして、川岸に近い浅瀬はもう水が透き通って気持ちが良い。
山腹の半分も覆うほど繁茂する、椎の木の白い花のにおいだ。
それにしても、この川でカヌーの影をほとんど見かけない。
この川に限らず、ここ数年でカヌー人口そのものが減ってきたように思えるのだが、本当はどうだろう?
仁淀川は、愛媛県の石鎚山に源を発し、同県内では「面白川」という。南下して高知県に入って東流し、仁淀川という名前になる。
由来は、昔、朝廷の贄殿(によどの)に、産地の鮎を毎年貢租していたため「贄殿川」になったという説。
あるいは、川の様相が淀川に似ているため、「似淀川」になったという説がある。
川幅が広く、流れは緩慢だが、幾重にも蛇行しているので時々、2級-くらいの瀬もある。
フネが大きく上下に揺れて、波の下を潜ると、ドッと腰まで浸水してくる。
40分ほど下ったところで、先頭を行く師匠のフネが突然左に傾いた。
「あれっ、・・・もしや沈」?
どうやら浅瀬に乗り上げてしまったようだ。すぐにフネを下りて、川中でフネを引っ張っている。
もう少しで、師匠の”まぼろしの沈”の現場を見られたのに!残念!
浅瀬からさらに1時間ほど下ると、大きな「名越屋」の沈下橋が見えて来た。
この橋が、仁淀川に残る最下流の沈下橋になるらしい。
名越屋の沈下橋は、長さ194m、幅員は約3mとか。この狭小の橋をトラックが通るというからかなりの恐怖感。
橋の手前でフネを下り、沈下橋を渡ることにした。
土手を登って川を見下ろすと、岸辺の水が透き通っているので、まるで水槽を真横から見ているような不思議な景色になる。
この川の水がきれいなのは、本流に、まるで葉脈のように幾筋の支流が流れ込んでくるからだ。水源が豊富なので、短時間で濁りが解消する。
沈下橋を見ると、なぜか、自分の足で橋を渡りたくなるから不思議だ。
橋の上は遮るものがないので、見晴らしが良い。
川上から、穏やかな五月の風が川面をかすめるように吹いてきた。
みんな、青春してるな~
橋のそばで、40~50分ほど時間を潰して再スタート。
ゴールの「くらうど」はもうひと漕ぎで着く。
途中、炎天下、朝作った握り飯と、サンドイッチで昼食。たいした運動もしていないのに、空気のせいか、腹が減って仕方がない。
12時半頃、本日のゴール地点に、誰も”沈”することなく無事到着。
いつもは「くらうど」の温泉に浸かるのだが、本日は、支流の上八川を少し遡ったところにある「むささび温泉
」に行くことにした。
ゴール地点
地元の人いわく、いつもはひとの少ないこの温泉も、GWのせいかいつもより混んでらしい。
話をすると、やはり川自慢。土佐湾に流れ込む「河口まで水がきれいなのは、仁淀川くらいだろう・・・」。
いまや、地元の川を自慢できるのは、仁淀川に住む人くらいかもしれない。
温泉に浸かったあと、建物の横を流れる川原に下りると、その水があまりに透き通って美しいので驚いた。
仁淀川の清流とは、われわれが下った中流域よりさらに遡った仁淀川町あたりかもしれない。しかし、いまこの小さな支流を見て、「仁淀ブルー」と呼ばれる川の美しさ実感した。
夜は、最後のキャンプにふさわしく、河原で流木を集めて盛大にキャンプファイアー。
明日は、高松に住むTさんと師匠を残して、皆は坂出(香川県)に出て、岡山から新幹線で帰路に着く。
因みに、そのあとひとり師匠は、四国から琵琶湖に出て、さらに放浪の旅に出るという。
お疲れさまでした。
THE END















