●竜ヶ岳 曇り     

 山梨県 竜ヶ岳(1485m)   2009年10月10日(土) 温泉付

 

<参考コースタイム>

  河口湖駅→(車30分)竜ヶ岳登山口(駐車場)→(1時間)休憩所・石仏→(35分)分岐→(15分)竜ヶ岳山頂→(30分)端下峠→(30分)分岐→(1時間10分)竜ヶ岳登山口駐車場

  参考歩行時間:4時間

立ち寄り温泉:なるさわ・富士眺望の湯ゆらり 山   写真 温泉

10月の3連休の初日の登山は、本栖湖の真南に位置する竜ヶ岳。

この山に登るのはこれで3度目になるが、2回とも冬から初春にかけて、冠雪の富士山(2月)を眺めるのが目的だったから、初秋の竜ヶ岳登山は今回が初めての季節。
今回は、一時帰国のK君の希望をかなえて、歩行時間が比較的少なく、見晴らしの良い山行を選んだのだが、竜ヶ岳は交通の便が悪く車で行くしかない(バス便もあるにはあるが・・)。

車で行けば、当然、ビール付き温泉は無理なので、帰りはK君が犠牲になって運転手。
実は目的地を決めるまで、電車の中でも二転三転して、結局目的地に着く寸前に、予定通りに竜ヶ岳に決まった経緯がある。

 

当日の天気予報は、大型台風一過の秋晴れの晴天のはずだったが、予想に反して、駅頭に立ったときは空一面を曇が覆っている。小粒だが雨さえ降ってくる空模様。

竜ヶ岳登山の醍醐味は、なんと言っても真正面に富士山が見える壮大な景観だが、曇り空ならそれも叶わない。

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竜ヶ岳の駐車場は広い
駅前でレンタカーを借りて、河口湖駅前を出発したのは10時少し前。

登山口は、本栖湖の湖畔を左折して、第一駐車場を通り過ぎ、数百m奥まったかなり大きな駐車場にある。バス停から歩けば10分ほどの距離はある。

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松林のキャンプサイトを歩いていると、大型台風のすぐあとだったせいか、太い枝や緑の葉が当たり一面に散乱している。かなりの強風だったようだ。

雪が解け始める早春、陽の当たらないこの辺りはアイスバーンになっているのでアイゼンが必需品。最初にこの山に登ったときには、そうとも知らず、ペンギンのようにヨチヨチ歩きをした記憶がある。

平地を15分ほど歩くと、いよいよ本格的な登山道になる。記憶では最初の休憩地点の展望台までは、さほどの登りではなかったはずだが、大きな間違いで、かなりの急登が続く。

この急坂を20分ほど登ったあたりで、木立の間から穏やかな本栖湖の湖面が見えてきた。薄曇りの空模様だが、森と湖の見える景観はやはり竜ヶ岳の大きな魅力のひとつだろう。
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スタートして50分ほどしたところで、一面笹に覆われた稜線に出て、一挙に視界が開けてきた。天気がよければ、ここから遮ることなく富士山の麓から山頂までの全貌を見ることができる。

この辺りの笹はかなりの範囲に広がっているため、昔は山頂に辿りつくのは困難であったとか。

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登山口からちょうど1時間ほど経った頃、石仏のある、展望台の休憩所に着いた。背中に汗をびっしょりかいている。

本栖湖辺りの気温は12度だったが、この辺りは10度前後か?

曇りのせいもあって、肌寒い。
山   写真 温泉 石仏の向こうに山頂が
展望台があずまやになっていて、富士山を真正面に見据えて休憩するには最適の場所。

石仏から行く手を見上げると、なだらかな起伏の向こうに竜ヶ岳の山頂が見通せる。ガイドブックによると、ここから山頂までは1時間ほどの距離。
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展望台からは、熊笹の生い茂る山道をゆっくり登って、30分ほどでもう一つの本栖湖畔からの登山道の分岐に着。

ここから山頂はもう目と鼻の先。

スタートしてから1時間50分ほどで、あっけなく山頂に着いた。ここまで遭った登山者は、4~5組程度だったが、広大な山頂にも先発組が3組ほどしかいない閑散とした風景。

山頂は、濃い霧が立ち込めている。
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竜ヶ岳の山名は、富士山の溶岩が本栖湖に流れ込み、湖に棲む竜がその熱さから逃げ出して、小山に逃げ出したことに由来する。

古来、小富士といわれるだけあって、その山容は、竜のような優美な曲線を描いている。”ダイヤモンド富士”が見られることでも有名で、正月元旦は大勢のカメラマンでにぎわうという。

 

時計を見ると12時10分。ちょうど昼食どき。

昼食は、レトルトのトマトシチュー(カンガルーの肉)とフランスパン、チーズ、ソーセージ。それに今回初めてワインを持参した。
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ゆっくり昼食をしていると、みるみる霧がはれ、青空が広がってきた。

富士山の方角を見ると、なんと厚い雲の上に見事に冠雪した富士山が見えるではないか。

まだかろうじて夏の名残のあるこの季節、真っ白な雪に覆われた富士山が見られると思わなかったので、その望外な景色におもわず喚声。
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厚い雲の上に、わずかだが真っ白な富士山が見える

翌日知ったのだが、その日、富士吉田市が富士山の初冠雪を宣言したそうだ。

山頂で1時間たっぷり過ごして、13時10分に山頂を後にした。下りは、端下(はした)峠を経て、富士山と反対側の本栖湖畔に降り、湖畔沿にスタート地点の駐車場まで周回することになる。

竜ヶ岳には以前2回登っているが、端下峠に向かう湖畔沿いの道を下るのは今回が初めて。

この下山道は、樹林に覆われた紅葉が楽しめる、静かな歩行が楽しめると言うが、この季節、紅葉にはまだ早い。

この尾根道を下ってゆくと、竜ヶ岳より標高の高い雨ヶ岳(1771m)に至る縦走路がある。われわれはこの路への分岐から、湖畔に降りることになっている。

ちなみにこの縦走路は「単独行は避けるべし」、とガイドブックにあり、笹原で道を見失う恐れがあるのだろう。

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山頂から30分ほど急坂を下ってゆくと端下峠に着き、さらに下るとエメラルド色をした本栖湖の湖面が真下に見えてきた。

本栖湖は富士五湖でもっとも透明度が高く、水深も138mともっとも深い湖。
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この辺りの山道は、台風の影響が強かったせいか、根元からポッキリと折れた太い幹の倒木があり、道を遮断する。
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峠から30分ほど下って、ようやく湖畔の竜ヶ岳の登山口にある分岐に出る。ここから本栖湖周遊の道沿いの山道をかなりの距離を歩いて、本栖湖畔に出たのは15時少し過ぎ。山頂から2時間ほど。
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湖畔では、ブラックバスの釣り人が一人二人、湖中ではウインドサーフィンを操る人たちの姿が、日の傾きつつある静かな湖にカゲロウのように浮かんでいる。
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キャンプサイトでは、森の中を小さな子供のはしゃぐ姿、カヤックを担ぐ人の姿もいて、河口湖や山中湖のような大きな湖とは異なった、なんとも言えない長閑な雰囲気がある。
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登山口のある駐車場についてのは、スタートしてからちょうど5時間後の15時20分。

そこから一路、来た道を引き返し、途中の鳴沢道の駅にある富士眺望の湯ゆらり に向かうばかり。

鳴沢に付く頃には、すっかり青空が広がり、温泉の入口から、温泉の名前の通り、薄っすらと雪をまとった富士山が眺められた。

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湯上り後、K君を尻目に、冷えた生ビールをグイッと飲んで、河口湖駅で車を返し、今度はK君を交えて駅前の食堂で、あらためて心置きなくビールで乾杯。

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本日の登山歩数は22,000歩也。