”秋の日” | 伴に歩んで

伴に歩んで

ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

今日はこの日を思い出しながら800字のエッセイを書きました。

 

毎日、朝から晩まで背中や足をさすっていました。

でないと痛みで、、、、

長いときは数十分でしたが、幸せなときでした。

僕は彼女を幸せにすると約束した。

最初に鞍馬でデートしたときから。

そして一生懸命働きながら子らを育て、いい加減な僕を支えてくれた。

一緒に歩んでくれた。

でも、苦労をさせただけの人生だった。

それを車の中で詫びると、彼女は冗談でごまかした。

 

「幸せな人生でしたよ。お父さんにこれほどよくしてもらって」

帰宅して、ソファに横たわる妻の背中をさすっていると、呟いた。

「先に行かんでくれよ。僕は一人では生きられない」

「じゃ、早めに迎えに来るからね」

 

~~~~

 

僕は、

「幸せな人生でしたよ。お父さんにこれほどよくしてもらって」

と言うことは一度も言われてない、と今日まで思っていました。

でも、、、、言ってくれたことがあったんです。

嬉しくて。。。

 

「早めに迎えに来る」とも。

エンジンブレーキで下る坂道のような人生は、、、、もうどっちでもいい。