愛の手紙 | 伴に歩んで

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ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

静岡県袋井市の主催する「愛の手紙コンクール」で、今年も佳作に入った作品です。

もちろん、「空の上から読むから、いっぱい書いてね」と言った妻あてです。

この秋、2つ目の妻あての手紙での受賞になりました。

普通に書きました。どうぞ読んで下さい。

 

 

 

ありがとうお母さん」     

 

5度の手術でガンと闘ったお母さん。

僕は小さいときに両親を失ったから、今「お母さん」と呼ぶのは、奥さんのあなただけ。

あなたは妻であり主婦でしたが、天涯孤独の僕には母親のような存在でもあり、どんな悩みでも聞いてくれる親友でした。

そんな大切なお母さんが虹の橋を渡ってしまい、僕と娘は絶望の淵で神様さえ恨みました。

意識を失って3日目に旅立ったお母さん。あと半月であなたの65歳の誕生日だったのに、選んだあの日は僕の誕生日でした。

僕は最近物忘れが多いから「お父さん、この日なら忘れへんやろ」と言われたようでした。最後まで家族思いだったお母さん。

来年から僕の誕生日はあなたの祥月命日。あなたの誕生日は夫婦の誕生日にして祝います。

今も悲しみは続いています。でも僕はあなたに似ている娘のためにも、あなたに会える日まで頑張って生きようと思っています。