どうぞ(Ⅱ) | 伴に歩んで

伴に歩んで

ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

静岡県の袋井市が毎年募集している「愛の手紙コンクール」

3年ごとに作品集が出るようです。

先日発行され、1昨年のまだ妻が闘病中だった僕の作品も入選したので収載されています。

発刊の案内が来て思いだしました。

 

エッセイではなく手紙形式です。


↓にコピペしますので、どうぞ読んで下さい。。

 

「闘病中の妻へ」        

五十代で膵臓腫瘍が見つかり経過観察になった時、妻の君を残して先に逝く覚悟を決めました。ところが今から二年前、君がいきなり大腸癌で手術を受けるという事態になって、僕はうろたえました。今まで必ず僕の横にいてくれた君が、もしかすると僕より先に、と考えると目の前が真っ暗になりました。さらに昨年末、3度目の手術を頑張って乗り越えてくれたものの僕の恐怖は増すばかりです。

今まで何も楽しい思い出も作ってやれなかったばかりか、料理も家計もすべて君に任せっきり。こんな男が一人ぼっちになる絶望感と後悔は半端ではありません。六十七歳にもなって今まで君に甘えすぎていたことにやっと気付いたのです。今、いろんなことを少しずつ覚えようとしています。君の負担を減らして闘病に専念してもらうために。だから、まだもう少しは一人にしないで下さい。もう少し、もう少しだけ僕に時間を下さい。

(以上)

 

そして明日は、今年妻を失って応募し、先日入選した同じコンクールの作品を同様に貼り付けます。

それも読んでいただければ供養になります。