ひとりごと | 伴に歩んで

伴に歩んで

ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

昔は定年退職していく先輩が羨ましかったものです。
でも今は定年が伸び、年金の受給も遅らされそうです。

さらにもっと生きたいなら二千万円もの保証金が要るようで、社会生活のゴールが見えなくなりました。

妻は子を育てながら働き続け、やっと退職したとたんにガンが見つかり、趣味を楽しむ間もなく六十四歳であっけなく旅立ってしまいました。
半年後、役所から妻あてに「医療費のお知らせ」が届き、あなたにはこんなに医療費がかかったんですよと哀しみのダメ押しをされた気がしました。
好んで病気になったのではありません。公的扶助には感謝しながらも、もうこの世にいない者には無益で残酷な通知です。
元気ならもっと働けと追い立てられ、病気なら社会の一方的な受益者のように扱われ、早く逝けば働きづめの人生も年金もモトが取れない。


老いることは罪でしょうか。

もうゆっくりしたいと考えることは贅沢でしょうか。
しかも病を患っては迷惑だということでしょうか。