国家試験の対策書等で頻繁に登場する、「預合い」「見せ金」、この正確な意味については、資本金の払い込み手続きについてよく知悉していないと難しいものがありますね。
特に払込取扱銀行というものがキーワードになります。
発起設立の場合を前提に話します。
Aさん、Bさん、Cさん、三人の発起人を具体例とします。
それぞれ100万円づつの金銭を出資金に充てるとしましょう。通常、発起人が複数名の場合、そのうちの誰か一人を代表者として定め、この場合は、Aとしましよう。
Aが払込金を取り扱う銀行を選定し、その銀行に株式払込金事務を委託することになります。
その委託された銀行を払込取扱銀行といいます。
そして、Aは皆のお金をまとめて払込金取扱銀行に振り込むわけですが、A,、B、Cはそれぞれお金を誰かから借りているのかもしれないし、手元にあったものかもしれない、まあそれはどうでもいいことです。
ところが、AないしCが払込取扱銀行から100万円づつ借りていたとしたらどうなるか、それだけなら問題はないと思います。成立後の会社が自由に使えるわけなんですからね。
ところが、発起人と払込取扱銀行との間で、当面の間(300万円の返済が終わるまでの間)、会社が振り込んだお金は当該銀行から借りたものなんだから引き出せない、なんて暗約をしていたらアウトですね。お金を自由に引き出せるのが会社の活動の本質ですからね。
これを預合いといい、刑事罰の対象にまでなります。
眠くなってきたので、見せ金については次回にまわします(^^)/