能登半島地震の津波で志賀原発の水位が3メートル上昇していた。
海側に設置している高さ4メートルの防潮壁は数センチ傾いていた。
本当に危なかった。
海水が原発敷地内になだれ込めば、福島第一原発事故の再来になりかねないところだった。
北陸電力は2日午前の記者会見で、水位計を監視していたものの、有意な変動は確認されなかったと説明していた。
ところが、敷地内の状況を再確認したところ、水位が3メートル上昇し、防潮壁が傾いていたことがわかったという。
政府や電力会社の原発をめぐる情報発信はいつもこうだ。まずは「異常なし」と発表し、後から「実はこうだった」と訂正する。
どこまでも信用ならない。
政府や電力会社の責任の所在もあいまいだ。福島第一原発事故の教訓が十分にいかされていない。
それなのに、政府も電力会社も経団連も、原発再稼働に躍起である。
志賀原発は停止中でよかった。彼らが主張するまま再稼働していたらと思うと、ゾッとする。
志賀原発はふたつの電気系統のひとつが壊れて使えないままだ。原因はよくわからない。北陸電力がすべてを包み隠さずに公表しているかどうかも怪しい。
今なお志賀原発内部の映像がほとんど公開されていないのもきがかりだ。何かを隠していると疑われても仕方がない。
それなのに、マスコミ各社の追及はあまりに甘い。マスコミもまた福島第一原発事故から何も学んでいないのだ。
隠蔽体質が蔓延る地震大国に、原発が立ち並んでいること自体が、安全保障上の最大の脅威である。