長男を妊娠中~3歳まで実家から遠く離れた関西の某金持ち地域に住んでいました。





と、言っても私達が住んでいたのは金持ち地域の一角にあるド貧乏区画。




住んでいたのはボロボロの文化住宅。




風呂はあるもののガス風呂、シャワー無し
広さは浴槽込みで1畳(脱衣場なし)




トイレは都会の真ん中なのにボットントイレ。





もちろんウォシュレットなんて無く、産院で産後ママさんが集まっての退院後の生活指導で助産師から


『退院後はお股キチンと清浄綿で拭いてくださち(20年前はこう指導されていました)あ、ウォシュレットがあるから清浄綿必要ないですねぇ~』


と言われて全員が『はーい』と返事してる中で黙ってうつむいていました。





そんな貧乏な生活でしたが携帯が通話と定型文を送るのみで検索なんて出来ない時代の唯一の育児情報ツールのひよ〇くらぶ等の育児雑誌は毎月2社分購入してました。




当時は【公園デビュー】【ママ友】が世に広まりだした頃




失敗しない公園デビュー


公園デビューのマナー


ママ友に嫌われないコーデ



毎月そんな特集が掲載され、当時育児初心者だった私は


『いいママになるには公園デビューして子供の友達を増やしてあげなきゃ!』


と張り切り、長男が1歳頃に初公園デビューに出掛けました。




しかし家の近くにあった公園は



某会社の保養施設の一部



高級マンションの敷地内



とても庶民が入れるような公園ではない。




普通の公園を探そうにも今みたいにスマホで簡単に検索なんて出来ず、調べる方法はアナログで


【地図を見る】


しかし大都会の住宅地の地図は細かくて公園は見つけられない。




【近所の人に聞く】



しかし教えてもらえた公園は車で数十分、入園料のいる観光公園。





砂場・すべり台がある普通の公園を見つける事が出来ず



毎日近くの砂浜に長男を連れて2人ぼっちで遊んでいました。




それから約5ヶ月、砂浜に行くには少し肌寒い秋




長男と2人で米屋さんに寄った後に何となくいつもの道とは逆の方向に何があるのか気になって探検する事にしました。




長男の手を引き歩いていると商店街から白く大きい家が立ち並ぶ住宅街に入ってしまいました。




『住宅街なら面白い店は無さそうだな……』


と思ってUターンをしようとしたら少し先に青い象のような物が見え


『もしかして……!?』


と思い行ってみるとそこは




青い象のすべり台


象の鼻の先に砂場


藤棚の下にベンチ、横にブランコ





思い描いていた普通の公園がありました。





公園の中には砂場で遊んでいる子供が3人とその子のお母さんらしき身綺麗な女性達がベンチに座って話をしていました。




『さて、どう挨拶をしよう………』




悩んでいると長男が砂場に向かって歩き始めました。




するとベンチで話し込んでいたお母さん達の1人が長男に気付いてとなりのお母さんに何か耳打ち。




お母さん達がよちよち歩いている長男と私に注目していたので緊張しながら

『こんにちは』

と挨拶をすると





全員無言で子供の手を引っ張って公園から出ていきました。




長男は砂場より遊んでいた子供達に興味があったみたいで誰もいなくなった砂場には歩いていくのをやめて私の足にキュッと抱きついてきました。




長男のそんな姿を見たら公園に連れてきた事か申し訳なく感じました。




今思えば私自身が公園に行く事が怖くなっただけなのにこの時の長男への罪悪感を理由にして公園デビューをやめてしまいました。