ジョゼと虎と魚たち | 雨と月の夜

雨と月の夜

アニメのメモ

映像化のポイントを絞った感じで、よく出来た作品だった。なかなか心に響く感じ。

主演の2人が思いのほかよかった。特に清原かやが予想外によかった。

原作とも違う、実写版とも違う、アニメ独自のジョゼ虎。そして時代に合ったチューニングがされている。今の時代に合っている。

 

映像はすごくキレイ、キャラデザも非常にいいと思う。ふわっとした、でも意地悪なジョゼがすごくイイ感じ。背景を含む映像もいい。

話も、今のリアルタイムの20歳ぐらいのフツーの男女関係を、フツーに描いている感じ。友達だけどちょっと好き、そんな2人がうまく描かれている。そこにキャスト2人が予想外のいい演技で作品の質を高めているから、トータルで見るとなんかよく出来てるなーと、見終わった後に爽やかな印象が残って後味がいい。音楽もいいし、劇伴もいいし、鬼滅のような超大作じゃないけど、映画館で見てよかったーと思う作品に仕上がってた。

 

アニメでポイントにしていたところの一つが、ジョゼの立ち位置。原作から、実写から、だいぶ時間が過ぎて、今の時代は、それでも20年前よりはずっと車椅子の人が住みやすい環境になったと思う。それと、車椅子の方たちの支援システムがずいぶんよくなった。

まあ、それでも十分ではないけどね。。。

そういう今の時代にフィットさせている点は高評価。監督のセンス、視点がよいのだと思う。

 

さらっとした、ジョゼと恒夫の関係性も、雨月夜的には実写よりも好印象だった。実写ちょっと狙ってる感があったよなー。

今の時代って、こういう感じだと思う。全部を描く必要ないしね。演出やディレクションが奇をてらわない、冒険しない、しっかりと描くことに徹してブレなかったと思う。

 

プペルなんかよりずっと素敵。