A.I.C.O. Incarnation 最終話 | 雨と月の夜

雨と月の夜

アニメのメモ

今期の1本。HERO MASKと並ぶ、今期の1本。

オリジナルアニメのよさ、なんの忖度もない、自由にクリエーターが作った、高品質のアニメエンターテイメントだった。およそ、雨月夜が今のアニメに求める全てが入っていた感じだった。1話1話を気にするあまり、シリーズ構成がちぐはぐだったり、原作が終了していないからシリーズ構成が中途半端だったり、そういった作品ばかりの中で、シリーズ構成を組み立てて1クールにしっかりまとめて、最終話を観終わった後は、大作映画1本観た気分だった。こういうのが1クールアニメだと思うのよね。ともかく他所に取られる前に映像化権利を確保してさっさと映像化する。結果アニメの脚本みたいな漫画やラノベばかりになる。今の日本アニメの悪循環だ。アニメはアニメの世界がまずあって欲しい。ガンダムも、EVAも、みんなそうだ。アニメ史の道標となる作品はみんなそうだ。

 

世界観と設定の絶妙さ、これはホント素晴らしいと思う。こういう世界観大好き。バイオテクノロジーって、案外この作品の世界に近いところがあるのよね。まあ質量保存の法則があるから、セルアセンブラ2の増殖には何らかの外部からのエネルギー供給が必須だけど。これ、リアルだったら、ホント素晴らしい研究だと思う。。。アニメだけど。技術は国益、人材は国益。国益は絶対に守るべきね。最近のXXXXな人たちの国益を考えない人の多いことよ。バカじゃないかと思う。

そして、本作最大のポイントは人工生態と脳の複製、人の複製。マターもすごく面白いんだけど、実はこっちがメイン。これさ・・・ホントありえるのよね。科学考証が素晴らしいから、わりとビックリするレベル。こういう形で、記憶や脳の外部デバイス化ってありえるだろうなーと思う。実際、iphoneなんて外部脳みたいなものだし。今の人工知能って迷うんだよね。。。恐ろしい。

まあ、ここではマターとしてその先端技術の危険な半面、脳科学の先にあるリスを象徴化していたけど。未来はたぶんこんなもんじゃないと思う。人はどこまで行くのか。。。とても興味深いけど、いまの世界からのブレイクスルーは、たぶんずっと先だと思う。実際、そこまで人類が保つかどうかw

 

話も素晴らしかったけど、映像も秀逸、キャラデザも秀逸だった。BONSE渾身。特にマターは魅力的だった。

そしてキャスト。これまた秀逸。みんな大熱演だったし、各キャラがホントにイキイキしていたと思う。設定、描き方、すごくよかった。奇跡かと思うほどに。白石晴香ちゃんがさぁ・・・ずっと金元さんだと思ってたw 似てると思う!!!

 

最後、どちらのAICOも助かったのもGOOD。人工生態AICOの選択をしっかり描いた点もGOOD。尺が足りないとか、ともかく描き方が足りないアニメが多い中で、短くてもちゃんと出来るんだ!というのを見せてくれた感じ。

 

あと、OPEDも素晴らしかった。これ今期のベストOPED候補かと思う。

 

製作に携わった方々に敬意を。素晴らしい作品でした。TVからアニメが生まれる時代が終わる、そのさきがけとなりそうな予感。NETFRIX恐るべし。