彼はふいに、

わたしの座るソファの゙前に小さな椅子を持ってきて、

ぽつりぽつりと話し出した。



君も知っている、

僕がよく行く公園が あるだろう?


僕は君と別れた 次の日、

 会社には具合が悪いから休むと言って仕事に行かなかった。

(私と大違いだ!どっちが振った方なんだろうか!?)



前の晩、雨に打たれたせいか少し微熱もあった。



けれど一人で家にいる気持ちには到底なれず 、

君に別れを告げたことにも後悔して、

けれどそうしなければならなかったのだと自分に言い聞かせて、

 仕事も何の未来も 君との幸せも、

 何ひとつ思い描くことはできずに僕は公園に向かった。


公園のベンチでしばらく ぼうっとしていたが、何気なく 背の高い生垣の端に小さなドアがあるのを発見した、


そういえば この公園の向こうは 空き地になっているような気がしたが、

行ってみることはなかったのだ。



なぜこんなところに 人がかがんで入るようなドアがあるのだろう?

気付かなかった!

 どうせ 鍵がかかっているのだろうな。

 そう思いつつも、僕は少しだけ ドアノブを下げてみた。


ドアが開く。


押せる間から少しだけ向こうを見た。

 


広い美しい野原が広がっている!



 こんなところに こんな場所があったんだ!


 公園よりもさらに心が解放される。

 少し行ってみるか。



まてよ、ここは私有地か??

まぁいい。どうせ僕はもうどうでもいいんだ。


 僕は 芝生の丘をどんどん進んで、

花畑を通り過ぎ、遠くに見える一軒の家を発見した。


そこは何か 懐かしい気がする作りの家で僕は丘を飛ぶように駆け出した。




誰かいる!
あの人の私有地か!?
まぁいい。迷い込んでしまった、と謝ればいい。
そう思った。


家の窓に人がいる。

 しかも 僕に向かって手を振っているように見える !

この土地にあまり人が来ないから 珍しがっているのだろうか??

なんだか怖い気もするけれど ここで踵を返して戻ったら、逆に 僕が疑われてしまうだろう。

 しかも 窓から見えるその男性は何度も何度も手をこまねいておいでおいで をしているように見える。
 僕は徐々に近づいていった。
 すると、 その中年の男性は

やっと来たね 、と僕に言うんだ。
 待ってたんだよ 、やっと来たか。

 でも来ないとも思っていた。
 来なかったらどうしよう?って。
 君の夢にでも出てやろうか、と色々考えてたとこだ!!
 

僕は何も言えずに、 は?? という顔をするしかなかった。

僕を知っているのですか?
 ようやっと 尋ねてみた。


 窓を開け放っている その男性は、

君を知っているとも言える 、
会ったことがないとも言える 、
待っていた とも言える、
説教をしたかった とも言える、
頼み事があるとも言える、

と奇妙なことを言う ばかりだった。

まぁ、家の中に入りなさいよ、 お茶でも出すよ。と男性は言った。


玄関を開けてくれたその中年男性の家で 僕はお茶を飲むことになったんだ。


彼の話はわけがわからなかったが、 
なんだか懐かしいことのような気がした。
 それと同時にシチュエーションが全く違うがどこかで 、これと同じような出来事にあった気もした。


   つづく!

いつまで続くんか!
ネタバレしとるっちゅうに。

ですが、この散文小説に最後までお付き合いいただいた皆様には、
 びっくりするような、おぞましいようなプレゼントを用意してございますので最後までお付き合いください。 お楽しみにどうぞ。
🤣🤣🤣✌️✌️







手を出してみて。


彼は言った。


君は僕より年上で思慮深く
落ち着いていて優しく暖かい。


だから僕は 君を手放しても大丈夫。
君はきっと幸せになれる、
どこかに そんな 大きな甘えがあったのかもしれない。


 君は年上でも、
僕には実は臆病で、僕がネガティブなおかげで 
君が僕に触れることを、
 僕の心に触れることを、
とても臆病になっていたなどと考えてもみなかった。



そんなことに気づかない僕は、 ナイーブ とは程遠く、
鈍感で KYな、
何もかも足りない男だった。


君が、優しく強いなんて
何故思っていたのだろう。


君は優しくて弱い。


あの人もそう言ってたよ。


彼はそっと出した指に銀の冷たい輪を通した。


急に身体が暖かくなったように感じた。ほんわりと、しろいものに包まれた感覚だ。
ずっとこの日を待っていたリング。
私のもとへ来る運命を何回も覆されたリング。
ある晩には ついに葬られてしまうかもしれなかったリング。


私はそっとリングに頬を寄せた。


ありがとう。

わたしのところへ来てくれて。



君がこのことを待ってるなんて、
思ってもみなかった。
僕はバカだな。


別の持ち物、になりたくなかったの。
ただそれだけ。





僕が本気で、本当の気持ちから あの日 別れを言ったと思う??


思わないわ。


私 あの後、
 反対側のバスに乗ってあなたを置き去りにした場所に10分くらいで戻ったのよ。


あなたはもう、立ってなかった。
私の傘をさして立ってはいなかった。

あーやっぱりね。
そうだよね、 と私は思ったのだけど 振り向いて 、 
反対のバスを待ってる人用のベンチの上に私の傘を発見したの。

あなたの後ろ姿がさしてる傘よ。
それは私が乗った方側のバス停。
私は20分ぐらい反対の通りから貴方を見てたわ 。
悲しくて声をかけたかった。
 でもね、 あなたがどれだけの決心で告げたのか、
どんな感情だったのか、
計り知れなかったし、
触れるのも怖かったの。


そして貴方の傘を見ながら、やって来たバスに乗り、電車の駅に行ったわ。


でもね 、家に帰ってから 私 思ったの。
何の未練もない女に、
何の想いもない女のために、
そのままその場所に残って、雨の中に座ってる なんてことある?


貴方はきっと私に未練を残してる。

 何のためかは分からないけど、別れなきゃならない理由が きっと他にあったんだ。 私はそう思うことにしたの。



その次の夜、
 私はあの家を


あの 家の中の 沢山の部屋を見たのよ。


あの、意地悪な同僚達の部屋もね。


あれではね。
人生が嫌になる。
空いた口が塞がらないわ。


そう。
僕は おかしくなってた。
男には人生の80%ぐらいが仕事だと俗に言うけど、
 僕は実は70%ぐらいが、君だ。残りの30%は仕事とほんの少しの趣味だ。

気持ちの中ではそうだった。

けれど 嫌なことが多すぎると、どんどん仕事が僕の気持ちの中を侵食して行った。
君のことを思ってる、 大切な部分を 仕事の真っ黒な煙がみるみる食いつぶしていったんだ。

わかる?


わかるわ。


だけど、なぜ、
私が、貴方をあの家で見たと言ったら


僕の心の中、を見た、
と分かったの??


え?君と同じ日の昼間、


僕は君の心の家に行ったからさ。


私は驚愕した!
自分が思っているよりも、ずっと驚いている自分がいた!!


そんなことがあるの! 
それはどこなの!!なんであなたはその家に行ったの!?


 その家の話をして。



 つづく。

だらだら続いてすみませぬ。🙇🙇🙇
今日も皆様 お疲れ様っした!!🙏🙏🙏

😅😅😅😅😅😅

心の家??



一番初めの部屋に
書類を握りしめて、
貴方に話があるって、状況が変わったんだって、
 大急ぎで連絡取りたい、って言ってる人がいたわ。
確かその人が、至急 連絡くれって、殴り書きのメモを残してたわ。



あー、

今日僕を新しい企業に紹介してくれたやつだね 。
有能な人なんだよ。 だけど僕の企画が新しい会社で通せるかわからないって、
でもやってみる って 、ずっと言ってくれてたんだよ。


だけど僕は、
今までの会社に固執していて、なかなか返事できなかったんだ。



そう思ったわ。 なんだかそんな気がした。
 あなたはあの人に会いに行ってる、って新しい仕事のことでって、
母に病院で聞いた時、なぜかそう思ったわ。


そうそれで僕は新しいベンチャー企業でそのチャレンジを成功させよう、
と紹介してくれた人たちと今日、軽く話をしてきたんだ。


あの家ね、
その隣の部屋には16歳の乙女がいたわ。


ここから出たいと言ってた 。
いつまでも こんなところに私がいると 誰のためにもならない 、貴女のためにもならないわ 。と私に言って、
私のことをお姉さんと呼んでた。
 
私 逃がしてあげたのよ。
 
椅子に縛り付けられたままじゃ かわいそうだもの。



ああ、、



あの子はね、 僕が小学校の時に好きだった女の子なんだよ 。
偶然に、
高校に行ってから出会って、
ちゃんと付き合って結婚しようと思った。
だってね、 その子は小学校の時僕の版画を掘るのを見るために机に手をついていて、そこに僕の彫刻刀が間違えて刺さってしまった。 その子は小指から沢山血を流して学校は救急車も呼ぶし、大層な騒ぎだった。
 結局は神経が切断されてしまって、
 昔の医療では治せず、
指が曲がったきりになってしまったんだ。
小指 って大事だろ ?
僕はずっとその子を探していて、
高校で会った時に、絶対に一生 僕はこの子を幸せにするんだ。って決めたんだよ。
 だけどその子はそんな僕の気持ちが重すぎてるって。僕から逃げていった。
 何もかも 人生を決められるのはごめんよ!!
彼女はそう言ったんだよ。
あなたは 責任 しか感じてないんでしょ? 責任で人を好きになるようなこと、
好きだと勘違いしてること、
 私は嫌なの…!
彼女はそう言ってたな。



そう16のその子は小指が曲がってたわ。


だけどね オカヒコ、
 実はね 、
私 言いそびれてたことがあるの。
 貴方はいつもわたしの会社の側を通って一緒にに出勤するよね。

ある朝あなたはすれ違った女性を見て、すごく驚いて その女性を振り向いて見てたことがあったでしょ??同じ年ぐらいの女性ね。


あの人はその日に
仕事で私の取引先の人の代理でやってきて、私の会社で会ったのよ。
私と一緒に歩いていた あなたの事をこう言ったのよ。


私子供の頃、ちょっとした事で

今朝 貴女が一緒に歩いてらしたあの方と
教室にいる時に、怪我をしてしまったことがあって、
それが治らなかったのではないかと あの方 ずいぶん 心配してくれてました。

けれどその後 医療が進歩して、
私は体の別の場所から組織を持ってきて 神経も筋も再生する手術をして、全く指が治ったんですよ。

ほらこの通り。

彼女は明るく 手のひらをグーパーした。
伝えてくださいね 、彼に。
私結婚して1年前に子供も生まれたんですよ。

わたしは、

そんなふうに見えないわ。

ママさんには見えなかったわ、

と笑ったけど

あなたに伝えてと言われたのに 、どういういきさつか関係かも全くわからなかったから 、
迷ったけど、わざわざ あなたに言わなかったのよ。

あの家で見た16歳の女の子、 
どこかで見たと思ったけど、
やっぱり 会社にお遣いでやってきた、
あの女性だったわ。


あなたの心の中に監禁されてたんだね。




君の会社に来た日の事、話して欲しかったな。


と彼はポツリと言った。


そしたら、早くにあの部屋から解放してたのに。



え?


だとしたら他の人たちも死んだりなんかしていないっていうことね。


あくまでも あなたの心の、
思い悩みの中に住んでる人たちだったの??


お母さんは?
亡くなったと聞いていたけど??


母はね、僕が25の年に病で亡くなったよ。
そう言えば病院で、僕の好物のシチューの作り方を教えてあげれば良かった、と言っていたな。

でもそんなに真剣に思ってる とは 思わなかったよ。


あの家は、
あなたの心の悩み事を部屋に隠し持ってる 家に違いないけど

別れた人や、 亡くなった人の本当の思いも知らせてくれる家なのかもしれないわね。


あなたの上司は
あなたに才能があることは分かってるけどそれを認めたくない。
 認めたらその先、自分の悪事が表沙汰になるのが嫌だから、
あなたを出世させたくないって思ってたらしいわね。


やっぱりそうか。


それであなたはその上司を撃ち殺したのよ 。拳銃でね。


そうか。
 心の中から 葬り去りたかったことは確かだよ 。

何も認めてもらえなくて、少しも進展がなくてさ。
ずっとあの会社にいて上司もあんなで、
自分にも見込みがある人生が待っているかもわからなくて、
君のことを幸せに出来ないと思った。


 君には、
君をもっと幸せにしてくれる人と
明るい道を歩んで欲しいと思い詰めて行った、、、
 だって僕も若くはないけれど 、
女の34は
僕がズルズルいつまでも引っ張リ回して ああやっぱりダメだった。って、40近くなって言ったら、どうするんだろう??


そう考えて 

だんだん気持ちが前向きになれなくなったんだ。


だけどね。
君がバスに乗って行ってしまった後の
空虚な気持ちは



言葉にすることができなかった。





そして急に。



飾り物の棚の中から小さな箱を取り出した。



私は正直びっくりした。


これは。



金ためてさ。

買ってたんだよ、1年前の、
出逢った記念日にさ。(その1年前に出逢った日の)

彼は照れ笑いした。

だけど、渡そうと思うたび、
仕事のことが引っ掛かっていて。

そして、、、
今まで、何回か思い詰めて片付けようとした。

別れてきた雨の日には、
思い切って捨てようともした。


だけど。



  つづく。


今回長くなったので、つづきます!

お疲れ様した!!!