本島三郎「蒸気機関車懐想」(B4判、全256ページ、竹書房1984年6月30日発行、定価20000円)
著者が昭和6、7年頃から、昭和40年代に渡って撮影し続けた蒸気機関車の写真集。巻頭はカラーだが、ほとんどがモノクロ。1ページに写真1枚と撮影日情報などをつけ加えたもので、大判とモノクロが相まって、蒸気機関車の迫力が感じられる。
写真の他に、「重連三重連運転の発展」という9ページに渡るまとまった読み物があり、読み応えはあるのだが、本書に収録すべき内容か、とも思える。どうせなら、蒸気機関車の形式による索引を付けて欲しかった。
なお、本書には、付録として、蒸気機関車の走行音を収めたカセットテープ「ごくろうさん蒸気機関車」が付いている。


読み鉄ブログ-いろいろと読みたい本があるんで-


日本国有鉄道東京工事局編「東京周辺鉄道計画資料(その1)総合開発計画」(B5判、全626ページ、日本国有鉄道東京工事局、1963年3月発行、奥付無し)
目次
1.国民所得倍増計画(経済審議会)(p1)
2.全国総合開発計画(経済企画庁)(p37)
3.首都圏整備計画(首都圏整備委員会)(p63)
4.港湾審議委員会(港湾審議会)(p197)
5.都市交通審議会計画(都市交通審議会)(p285)
6.交通基本問題調査会答申(交通基本問題調査会)(p307)
7.東京都長期計画(東京都企画室)(p317)
8.千葉県長期計画(基本計画)(千葉県)(p375)
9.埼玉県総合振興計画(埼玉県)(p431)
10.横浜国際港都建設総合基幹計画(横浜市)(p501)
11.川崎市総合計画(川崎市計画局)(p527)
12.鹿島臨海工業地帯(茨城県)(p617)
附 都市計画、都市交通その他に関する参考文献一覧(p625)
序文より引用すると「本資料は東京周辺における鉄道の長期計画策定のために、首都圏内の市街地開発や内陸工業団地の造成、東京湾岸一帯の埋立計画など、東京周辺の人口、産業の配置とその将来の展望に必要な政府、地方自治体の種々の長期計画のうち、鉄道計画に関連のある部分を抜すいしてとりまとめたもの」となっている。
「鉄道計画に関連のある部分を抜すい」とあるのだが、本文に目を通してみると、目次にあるような各種資料を、そのまま転載している模様。そのため、鉄道に限らず、先ほどの引用にある通り、人口増や産業構造と言ったものが話の中心となっており、鉄道に関する記述はわずかしかない。その鉄道に関する部分を見ても、既存の資料に書かれている建設予定線などと変わらず、経済資料としては面白いが、鉄道マニア的には、あまり面白みは無し。自治体資料からの転載が主な内容となっているので、本書についても、資料的価値は少ない。
目に付いたこととしては、横浜や川崎の資料で、路面電車の廃止が検討される中、その代替として、トロリーバスが挙げられていること。結局は、普通のバスに置き換わった訳だが、トロリーバス化の計画が、どうして頓挫したのかは気になるところ。
表紙には「(その1)」とあるが、「その2」の内容や実際に発刊されたかどうかは、本書には記されておらず、ネットで検索しても、後者は出て来なかった。

鉄道史学会「鉄道史文献目録 私鉄社史・人物史編」(B5判、全250ページ、日本経済評論社1994年6月10日発行、定価6000円+税)
サブタイトルの通り、私鉄社史と人物史について、その書誌情報をまとめたもの。社史は会社順、人物史は人名順になっており、人物の方は索引で鉄道会社から牽けるようになっており、創立者以外の関係人物にまで触れており、私鉄・人物を研究する上では、基本文献と言える。
ただ、中身がどんなものかは分からないので、まず押さえるべきもの、余裕があれば見るもの、と言った軽重が付けられなくなっている。概略程度なら学会の方では押さえていると思われるので、紙面の関係であろう。いずれ、電子辞書として本書の増補版が出る際には、ページを気にせず中身にまで踏み込んでもらいたいもの。