小池滋「鉄道ゲージ戦争」(A5判、全194ページ、岩波書店1995年1月27日発行、定価2200円)
タイトルからすると、井上勇一「鉄道ゲージが変えた近代史―列車は国家権力を乗せて走る」(中公新書)のような、ゲージを巡る各帝国の興亡のように思えるが、そういうことはほとんど書かれておらず、そう言った、ゲージの異なる鉄道を訪れての旅行記となっている。扱われているのは、中央アジアでの、乗客が乗ったままで客車を持ち上げての台車交換、イギリスの標準軌と広軌を巡る歴史、スペインの車輪幅変更可能のタルゴ乗車記、サハリンを探訪して、ソ連とサハリンの線路幅の違いはどう扱われているかの考察、となっている。その他、章の間で「「パンチ」鉄道画廊」として、イギリスの風刺雑誌「パンチ」から、初期の鉄道に関する一コマ風刺をいくつか紹介しているのが面白いところ。