種村直樹「種村直樹のレールウェイレビュー」(B6判、全272ページ、中央書院1986年8月12日発行、定価1200円)
「鉄道ジャーナル」の1973年4月号から86年3月号までに掲載された、同タイトルの連載から、65編を選び、1編を加えて、「国鉄再生への模索」「鉄道のサービス採点」「汽車旅からの視点」に分けて掲載したもの。国鉄と言うと、今はノスタルジーとして語られることが多くなったが、本書では、膨大な赤字を抱える中、労働問題やサービスの低下など、国鉄の様々な問題が取り上げられ、批評されている。その観点は、基本的には利用者目線だが、「鉄道ジャーナル」らしく、ジャーナリストとしてのものが多く、この時代の国鉄を知るには、現在となっては良い資料となっている。ただ、雑誌掲載した文章を一部の補注を除いては、そのまま掲載したものとなっており、説得力を増すためにも、数値データ等を掲載して欲しかった。