柿崎一郎「タイ経済と鉄道1885~1935年」(A5判、全388ページ、日本経済評論社2000年3月15日発行、定価5500円)
目次
序章 タイの経済をめぐる議論の動向(p1)
第1章 鉄道建設前の交通状況―水運と駄獣の時代―(p21)
第2章 鉄道建設前の商品流通(p63)
第3章 鉄道の導入と路線網の拡張―鉄道政策の確立―(p105)
第4章 鉄道の発展の時代―鉄道政策の転換―(p155)
第5章 鉄道の直接効果と商品流通(p199)
第6章 鉄道とタイの経済的統合(p283)
終章 総括と課題(p337)
索引(p371)
戦前のタイにおける鉄道の発展を、流通網、および政府の政策という観点から述べたもの。タイトルにある年は、流通の経済分析をした期間を表しており、タイの鉄道的に意味がある話ではなし(ちなみに、タイにおける鉄道開業は1897年)。話としては、上記の2点が主題となっているのだが、この当時のタイにおける経済状況とか、列強に支配されていった他の東南アジア諸国との違いと言ったものには、ほとんど触れられていないので、それらの意味合いが、いまいち見えてこない。研究者にとっては当たり前のことなのだろうが、そういう説明が無いため、鉄道マニアからすると、あんまり面白みの無い本になってしまっている。